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 キャメロンたちの追及に関しては、『そんな関係じゃねえ』『こないだのアレは薬のせい』と伊吹が言い含めたが、オネエ達の好奇心は留まるところを知らない。  「ねえ、ママって学生時代はどんなだったの? オネエじゃないママって想像つかないわぁ~」  「やっぱり喧嘩は相当強かったの? まぁ正直分かるわ、タチの悪い客のあしらい方がめちゃくちゃ上手いし。キッチンの水道出しっぱなしにしたら『これもお金なのよ!!』ってすっごく怖いし」  べつに今さら過去を知られるのが嫌なわけじゃないが、目の前で黒歴史を明かされるのは恥ずかしい。  「もう、アタシの昔話なんかどうでもいいでしょ!  ていうかパピ江ちゃん、『すっごく怖い』ってどういうこと?」  焼酎を頼んだ伊吹は、そのグラスを傾けながらにやけた。  「おー、こいつは高校んときは俺より喧嘩っ早くてなァ――それはそれは。  座れば阿修羅、立てば仁王、歩く姿は般若面……」  「ムチャクチャ言ってんじゃねぇぞ!」  好き勝手言う伊吹についブチギレたが、オネエたちを「ママがキレたぁ~! 現役~!」ときゃっきゃさせてしまうだけである。  がくりと項垂れて、額を抑えた。  伊吹は構わず、どこか遠くを見ながら昔話を続ける。  「誇張じゃねえぞ。  如月はタッパがあったから、入学したときから目立ってたんだ。  それに加えて、学ランの下に変な柄のシャツばっか着てたもんだからすぐ上の奴らに目ぇつけられたが」  「思えばお前の服の趣味の悪さはその頃からだったな」と伊吹がはっとした顔で見てくる。見るな。  「喧嘩売ってくる奴は上級生だろうが先公だろうが、かまわずブチのめしてやがった」  「伊吹ちゃん、ほんとやめて」  へぇ~と感心顔で見つめてくる皆の視線がいたたまれない。

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