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 左手を伊吹の右手と絡めて強く握りながら、奥の奥まで自分のもので満たそうとした。  「ひぁっ、あ、んぅ……っ!」  「……っ伊吹、名前で呼んで? おれが“欲しい”って、言って……?」  「あっ、んっ!」  ずちゅ、と前立腺を抉りながら突き込むと、中がきつく締まる。はくはくと口を開閉させて衝撃に悶える伊吹を見下ろしていると、支配欲までもが満たされていった。  「美冬、美冬……っ」  「ん、伊吹……」  ぐっと体を倒して伊吹の頬を掌に包み込む。唇を食んで火照った口内を貪ると、濡れた声で請われた。  「おまえが、欲しい……もっと……っ」  聞いたこともない甘い声が。  自分を『欲しい』と言って、吐息を零す。  「……顔、怖ぇよ、おまえ」  「……ん、そう?」  動きは止めないまま、潤んだ瞳を凝視していると目元をそっと撫でられた。  伊吹は額を汗に濡らして、整えていた髪も乱しながら頷く。  「なんか……喰われ、そう」  「……はは」  乾いた笑いが漏れる。  冗談めいた言い方だが、あながち間違いでもない気がしたからだ。  「だって、ずっと喰っちまいたいって思ってたんだし」  「おい」  「だいじょーぶ――喰わないか、らっ」  言って、ずん、と奥まで欲望をめり込ませる。  「あ、はっ――」  息を止めた伊吹の頭を撫でて、腰を回すように動かす。そうして一番深い部分をとんとんと突いて、真っ赤に染まった耳朶に齧りついた。  「痛い……?」  「ぃ……っ苦しい、これ無理、だって……っ」  息も絶え絶えに言う彼がたまらず、最奥で摩擦運動を繰り返す。  「んぁっ、あぁ……ッ! 深……っ」  感じていない様子ではないが、いきなり後ろだけで快感を極めることは難しいだろう。  「も、イきてー……っ」  「ん」  縋られて、伊吹を突きながら彼自身を擦り始めると、苦しそうな呼吸に甘さが滲みだした。  とめどなく溢れる先走りを絡めてちゅぷちゅぷと屹立を扱き、腰を打ち付ける速度もさらに上げていく。  「……おれも、そろそろイきそう……っ」  「あ、あぁっ、ん……ッ」  ベッドが軋むほど激しく穿ちながら、掠れた声で囁く。  「伊吹、好きだよ……ずっと、好きだった……っ」  指先にぐっと力を込めて先端を押し潰すと、伊吹はびくびくと腰を跳ねさせて白濁を噴き上げた。  「あ、ぁ――――っ」  その拍子にきつく狭まった中につられて、ミフユも絶頂に近付く。  「ぁ、おれも……っも、出る……っ」

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