2 / 28

圭吾と正一郎

おはようと俺の額、頬、まぶた、唇にキスを落として行くあいつ。 もう少しあいつの熱を味わっていたくて寝たフリしてたけど、くすぐったくてあっさり起きた。 一緒に顔を洗って、朝ごはんを食べて、新しい制服に袖を通した。 ネクタイの締め方がわからずに、あいつに頼む。 後ろに立って前の鏡を見ながらこうやって、こうやるんだよって見せてくれるけど、俺よりも長いあいつの指に夢中で何も聞いてなかった俺。 手を繋いで校門を潜ったら、数人の大人たちに囲まれたパパとママを見つけた。 「おはようございます。パパ、ママ」思っている以上にでかい声だったみたいで一斉に周りにいる人たちが見てきた。 あっすいません。届いてないだろう声で一応謝っといた。 「はああぁあぁぁん。朝から可愛いわぁぁぁ。」ギュウギュウとママに抱きしめられるけど、やっぱり意識飛びそう。 入学式は仕事の都合で参加できないらしく、朝イチにきてくれたようだ。 4人で一緒に写真を撮って、パパとママは仕事に向かって、俺たちは教室に向かった。 3階の1ーSが俺たちのクラス。 「やったね。窓際だ。」窓の外には広い運動場と、周辺のビルなどが見える。 「あそこが俺たちのマンションだよ」あいつの指差す方を見れば、マンションと公園の桜が少し見えた。 入学式が始まると言う声に従って移動して、校長先生や来賓の話をあいつの隣で聞いていた。 俺は横目であいつの指見たり、横顔を見たりしていたらあっという間に時間が経ってた。 たまに目が合うとニコって。あいつは俺を萌殺す気だと思う。 生徒会長の「高校生活、楽しもうぜ」の一言だけの挨拶。 その後のきゃああああと言う歓声にビックリして飛び上がった。 なにこれ?男子校ですよね?抱いてって聞こえた気がする。 風紀委員長の「俺に迷惑をかけたら、退学させる」のこれまた短すぎる挨拶。 きゃああああが聞こえる寸前に、両耳を塞がれてセーフ。 あいつのでかい手で両耳を塞がれていたみたいだけど、自分は辛くないのか? この学校の校風らしく、中学校も同様だったから慣れているらしい。 式も終わり教室に戻って、自己紹介をしている。 このクラスは、良いところのお坊ちゃんと言うことがわかった。 じいちゃんの仕事の関係者は、子供世代まで把握してあるからな。 昔は俺がじいちゃんの後を継ぐ気でいたから、じいちゃんの仕事見てきた。 俺がオメガって事を知って、「俺じゃ継げないね」って言った覚えがある。 じいちゃんは元々継がす気がなかったから問題ないと言ってたし、そもそも俺が継ぐと言う話の前に次の方にちゃんと引き継ぎが終わっていたらしい。 ちょっと出しゃばっちゃって恥ずかしかったけど、じいちゃんはありがとうなって優しく撫でてくれたんだよ。 それでも関わって来る事は間違い無かったから、覚えてた。 思い出に浸ってたら、机を指でコツコツする音が。 あいつを見ると、順番来たよって、何そのはにかんだ笑顔、可愛いって身惚れてる場合じゃない。 「俺は国崎 圭吾(くにさき けいご)です。よろしくお願いします。」慌てて挨拶して席についた。 「圭吾は俺の番です。よろしくね。」あいつに改めて言われて、顔から火が吹くかと思って俯いた俺に、可愛いと頭を撫でてくるあいつ。 やっと全て終わり、帰ろうと鞄を持つと鞄を取られて反対の手で手を握られた。 そのまま手を繋いで、一旦帰って着替えてから食材を買いに行こうと決めて帰宅。 お祝いだから焼肉したかったけど、ホットプレート無いし、油まみれも嫌だなぁ。 着替えて居たら、ドアに寄りかかって俺を見て居たあいつに言われた。 食べに行こうか?って、あいつはエスパーなんじゃなかろうか? 国崎家はお祝い事は焼肉だもんね。と言われて納得。 焼肉食べてから近所のスーパーで朝食と弁当の食材を買って帰って、明日の準備して、じいちゃんに無事に入学式が終わって明日から頑張ると報告して俺たちは寝た。 あいつとの高校生活は順調に過ぎて行って、初めての連休は田舎に帰ってのんびり過ごした。 今日はあいつが委員会の会議があると言うので教室で待っている。 「圭吾君じゃん。正一郎待ち?」と教室に入ってきたのは、松永 麻美(まつなが あさみ)だ。 腰くらいまでの長髪を後ろで一つに纏めてる、足の長いイケメンである。 「美化委員の会議らしいよ。」読んでいた小説をまた読み始めた俺。 「じゃあ少し俺と話しようよ。」俺の前の席をこっちに向けて座ってきた。 「良いよ。なんの話するんだ」しおりを挟んで小説を鞄に戻すと麻美に向き直った。 「んーなんの話しよっか?」って笑いながら言うからおかしくて。 「なんだよ、聞きたいことがあったんじゃ無いのかよ!」笑いすぎて鼻水出たわ。 「いつも正一郎君と一緒だから、声かけることも無かったし。いざ声かけたけど、何も浮かばなかった。」 「あはははぁ。確かに俺は正一郎とずっと一緒だからな。んーじゃ〜さ。趣味とか?」 「お見合いかよ!ははははははあ。」2人で腹抱えて笑ってたら、正一郎が帰ってきた。 「楽しそうだね。」俺の横に来て頬を撫でてきた。 「ずっと声かけてみたかったんだって。いざ声かけたら、何も思いつかなくてさ。俺が趣味とか聞いたら、お見合いかよ!ってなって笑ってた」 「なるほどね、待たせてごめんね。帰ろっか。」俺の荷物を持ってくれる正一郎。 「帰ろう!麻美またなぁ。ばいばーい。あ、まって正一郎。鞄持つから買い物の袋持って、今日醤油と酒買って帰りたい。」麻美に手を振ってから、正一郎と手を繋いで教室を出た。 近くの空き教室に連れて行かれ、痛いくらいに抱きしめられて、酸欠になるくらいにキスをされた。 口の中を動き回る舌が気持ち良くて、ここが学校って事を忘れてた。 「いきなりっ、はぁはぁ、どうした?」酸素が足りなくて、息がうまくできない。 「ごめん。あいつと楽しそうにしてるの、なんか嫌だった。俺の圭吾なのに。他のやつを見てるとか、すっごい嫌だった。」 俺を抱きしめる腕に力が入って、本当に嫌だったんだろうなぁと思いつつニヤついてしまった。 「なんで笑ってるの?」辛そうな声で言いながら俺の髪をいじってる正一郎が可愛い。 「だって、やきもちだろ?それ。いや〜愛されてるなぁと実感してね。」少し緩んだ腕の中から少し体を離して正一郎の顔を見ると、真っ赤っか。ほんと何でこんなに可愛いの。 「圭吾が小悪魔すぎて辛い。」とか顔を隠すように俺を胸に抱き込むけど、心臓の音めっちゃうるさいからね。 しばらくして落ち着いてきた正一郎と手を繋いで買い物をして家に帰った。 醤油と酒と切れかけていたのを思い出した洗剤も買って、重いのに持ってくれた正一郎に感謝。 ソファで紅茶を飲みながらまったりしてると、正一郎が何だかなぁって呟いてる。 カップをテーブルに置いて俺は正一郎の太ももの上に座って、正一郎の頭を抱きしめながら髪を梳いてやる。 「一緒に居られるのは嬉しいし、幸せなんだけどさ。はぁ。やっぱり圭吾が誰かと喋ってるの見たり、俺が居ないのに楽しそうにしているのは、辛い。」 俺の背中をさすりながら俺の胸に頭を擦り付けてくる。ほんと可愛すぎてこっちが辛くなる。 「小さい頃にさ、約束したじゃん。俺は正一郎ので、正一郎は俺のって。ずーっと2人は一緒だって。他の人に俺の気持ちがいくことは無い。だから心配しないで、不安にならないで。」 うんうんって、頷きながら俺の背中をさすって居た手が、お尻を揉み出したから、一発しばいといた。 こっちの生活や高校にも慣れてきて、テストが終わった開放感もあったんだと思うんだ。 勉強は相変わらず、正一郎が見てくれてたから心配はしてなかったんだけどね。 正一郎はまた委員会で俺は教室で待ってたんだ。 だんだんと風邪をひいたみたいに体が熱くなってきて、起きてるのがすっごく辛くて寝てた。 「ねぇ!ちょっと!ねぇ!」って肩を揺すられて、少し顔を上げると知らない子が居た。 すごく嫌な笑いを浮かべながら、あんた発情してんじゃんってどこかに電話かけてた。 本能的にこの子はオメガだろうなって思った。 「これが発情・・・・。」もうグデングデンで体に力が入らなくて、体が熱くて何もしていないのに、後孔が濡れてきているのを感じていた。 誰かが教室に入ってきて俺を抱き上げてどこかに連れて行こうとしているのに、俺はやめろと言っても押す腕にも力が入らなくて。 「初めての発情期ぽいよ。あはは!やっちゃえー」ってオメガの声が聞こえたきたけど、熱をどうにかしたいのに、体を弄って来る手は、欲しい熱を与えてくれる手じゃなくて。 「正一郎、しょうっ。」涙を流しながら体を弄られているしかできなかった。 遠くで大きな音がした後、俺を呼ぶ声がして、大好きな匂いと熱に包まれて安心して意識を飛ばした。

ともだちにシェアしよう!