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第28話(少し意地悪しちゃった)

「俺達は昨日の後始末しないとならないから学園に行くが直ぐに戻って来るから安静にして待ってろよ?」 そう言って兄さん達は学園に向かった。 (兄さん達は心配性なんだから、菫みたいな高熱じゃないんだからそんなに心配しなくてもいいのに) 「葵、明達はもう行った?」 「ああ、渋々だったがな。昨日の残りの後始末をしに行ったんだろう」 「残りの後始末?」 「女達の後始末だろう。兄さん達かなり怒っていたからな、昨日のあの事件に関わった者達は全員許さないだろうからな。多分、女達は何処かに売り飛ばすんだろう」 「うわ、紅達を敵にまわしたくないな」 「まぁな。それで、菫は大丈夫か?」 「今は薬が効いてるみたいだけど熱は相変わらずに高いよ」 私達は昨日の怪我のせいで熱を出した。 私と暗は微熱だったけど、体の弱い菫は高い熱が出ている。 (黒さんが居たから病院には行かなかったけど菫キツそうだったな。紫さんや灰炉さんは離れたくなかったみたいだし) 「まぁ、その紫も灰炉も菫に言われて学園に行ったんだけどな」 「そうなんだが暗、普通に心を読まないでくれ」 「別に良いじゃない。それより菫の様子を見に行こう?」 「分かった」 私達は菫の眠っている部屋に向かった。 (兄さん達は多分、三時間くらいしたら帰って来るよね?黒さんや明さんは教師だから学園が終わってからだと思うけど) “ガチャ” 「菫、大丈夫か?」 「葵ちゃん?うん、大丈夫。コレくらいの熱が出る時たまにあるから慣れてる」 「それに慣れるのは良くないだろう」 「まぁね。それで、何でボクの部屋に来たの?何か話でもあるのかな?」 そう言われたので私は本題を話す事にした。 「その、、、本番までにオレ達で勉強するって話をしただろ?」 「あー、うん。それがどうしたの?」 「兄さん達が今回の事で過保護なのが増しただろ?」 「うん。今までもかなり過保護だったけどね」 「あー、葵が何を言いたいか俺分かったわ」 「え?ボクは分からないんだけど」 「つまり、しばらく俺達一人にしないよな」 「あ!」 どうやら菫も気づいたみたい。 今回のせいで兄さん達の過保護なのが増してしばらくは一人にはさせない。 つまり、本番の勉強の為に暗の家に一人で行く事が出来ない。 (どうしよかな?勉強しないで本番は怖いし、、、うーん) 「一人になれないのか、、、あ!それなら、葵ちゃんの家なら大丈夫じゃない?」 「あ!そうか、確かにオレの家なら兄さん達が居るからな」 「黒達も葵の家ならなんも言わないだろうな」 それから一時間くらい話していたら誰かが帰って来た。 「早いな、誰だ?オレが見てくる」 「うん、お願いするね」 「俺も部屋に戻るな。ずっとここに居た事がバレたら怒られるからな」 私は菫の部屋を出て玄関に向かった。 「え?鈴の兄さん?緑さん?灰炉さん?」 「紅は抜けられないからオレ達が葵ちゃん達の看病する事になったから早く帰って来たんだ」 「じゃ、オレは菫の所に行くんで」 「ボクは暗の所に行くね。葵も心配だけど暗の所は保護者がどっちも教師だから帰りが遅くなるし、ボクが責任もって面倒見る事になったんだ。じゃあね」 そう言って二人はそれぞれの部屋に入っていった。 (今、鈴の兄さんと二人っきりなのは緊張するんだけど) 「葵ちゃん、部屋に行こう?」 「ああ、分かった。っ鈴の兄さん!」 「ん?何?」 「急に抱き上げないでくれ」 「葵ちゃん、顔赤いよ?恥ずかしいんだ?可愛い」 鈴の兄さんは私の部屋にあるベッドに私を寝かせるまでお姫様抱っこで私を運んだ。 (くっ、恥ずかしい!でも、トキメク!鈴の兄さんがムカつくくらいカッコいい!) 「看病するって言っていたが、オレは微熱があるだけだ。特に看病してもらうほどの熱はないんだが?」 「まぁ、そうなんだけどな」 鈴の兄さんが私の耳元に口を近づけて言った。 「葵ちゃん、熱で少し色っぽい顔してるからな?そんな色っぽい顔オレ以外に見せたくない。何でオレが葵ちゃんの看病したいか分かった?」 「っ!、、、」 「葵ちゃん?」 「っ、分かっ、た、から耳元で喋らないでくれ」 「、、、葵ちゃんって耳弱いんだな」 「んっ、頼むから耳元で喋らないでくれ」 そう言うと鈴の兄さんは私から少し離れてくれた。 (耳元で喋られるとなんかゾクゾクする) 「ごめん、葵ちゃん」 「?、、何がだ?」 「ちょっと、我慢出来ないからキスさせて」 「鈴の兄さん?なっ!」 “チュッ、クチュクチュッ、クチュ” 「ん~!んンっ、~っ、はっ、ンッ、はっ、っ鈴の、兄さん?」 「葵ちゃん、可愛い。オレのだと思うと我慢出来なくなる」 「、、、、それなら、鈴の兄さんもオレのモノだ」 「っ、、可愛い事言わないでくれ、歯止めが効かなくなりそうだから」 そう言った鈴の兄さんが可愛く感じてしまい今度は私から鈴の兄さんにキスをした。 “チュッ、クチュ” 「ん、オレは鈴の兄さんともっとキスしたいんだが」 「、、、葵ちゃん、オレの事を煽って楽しい?」 「ああ。オレだけが見る事が出来る鈴の兄さんの顔だからな」 「、、、葵ちゃん、今度の休み前は本当に覚悟してもらうからな?今日は熱がある葵ちゃんの看病しないといけないから我慢するけどな。それで、何かご要望はある?」 鈴の兄さんが熱のある私に手を出さない事が分かったので私はちょっと意地悪を言った。 (私だけが鈴の兄さんにドキドキするのは平等じゃないもんね?) 「ならもっと鈴の兄さんとキスしたい。キスしてくれるか鈴の兄さん?」 鈴の兄さんが顔を真っ赤にして顔を隠しながら唸った後に私に深いキスをした。

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