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番外編 ハッピーハロウィン~みんなでパーティー編

兄さん達はもうパーティー会場の家、兄さんのもう一つの家に居るみたいだ。 「着替えも持ったし行こうか、葵ちゃん?」 「何か緊張するな」 「まぁな。だが、兄さん達が待ってるからな」 変身するのは家に着いてからだ。 兄さん達はもう着替え終わってるだろう。 (灰炉さんと明さん以外の衣装は知ってるけど、本物を見れるのは嬉しいな!) 「明はどんな衣装なんだろう?」 「灰炉くんは多分アレかなって思うけど、どうなんだろう?」 「まぁ、鈴の兄さんや白兄みたいに兄さんに一杯盛られてなければ良いな」 「「ああー、、確かに」」 そんな話をしているうちに家に着いた。 私がドアを開け様とする前にドアが開いた。 「っ!」 「やっぱり、葵か」 「兄さん、、、急に開けるのは止めてくれ、驚いたぞ」 「悪かった。早く葵に会いたくてな」 「朝に会ってるだろう」 そう言って中に入るとみんな衣装を着て私達を待って居たみたいだ。 (準備も終わってるみたい) 「お前らも早く着替えて来いよ」 「ああ、分かった」 「う、うん」 「、、、分かった」 私達は着替える為に私の部屋に入る。 (、、、もう良いよね?) 「灰炉くん、カッコいい」 「明も良かった」 「実物は破壊力が凄いな。鈴の兄さん、カッコ良かったが可愛くもあったな」 恋人達がカッコ良いのは良い事だ。 みんなも気になっていると思うのでそれぞれの衣装を説明しよう。 兄さんは吸血鬼の衣装を着ていた。 赤い目にその衣装は凄くあっていていつもより色気があった。 白兄はアリスの白兎の衣装を着ていた。 いつもと違う印象だったけど、いつもより可愛く感じた。 紫さんは死神の衣装を着ていた。 フードから見える顔がいつもより綺麗でミステリアス感が増していた。 緑さんは小悪魔の衣装を着ていた。 小悪魔の衣装は緑さんの為の衣装かと思うほど良く似合っていた。 黒さんは包帯男の衣装を着ていた。 包帯の隙間から肌が見えそうで見え無いのがヤバい、いつもより色気を感じた。 そして、、、 「灰炉くんはやっぱり狼男だったな。けど、凄い似合ってた!男の色気が増しててカッコ良かった!」 「明がまさか天使の格好でくるとは思わなかった。真っ白な羽根が凄く似合ってた。顔立ちが優しそうだからかな?明のくせにカッコ良くってムカつく」 「鈴の兄さんはゲームで見た通り、服は執事服で虎の耳と尻尾が生えてたな。カッコ良かったけど可愛くも感じたな」 「あ、早く着替えないと!みんな待ってるよね?」 菫にそう言われ正気になり着替えた。 私の衣装は色々面倒くさいので着替えるのは最後にする事にして二人が着替え終わるのを待つ事にした。 (時間がなくて三人で集まって衣装を見るの無理だったから二人がどんなふうになってるのか気になる) 「葵、着替え終わった」 「暗が先に着替え終わったか」 「そっち行くから変じゃないか見て」 「ああ、分かった」 着替え終わった暗がカーテンの向こう側からこっちに普通向かって来た。 「どう?」 「か、、、可愛い」 「本当か?」 「ああ、、、暗」 「何?」 私は暗の肩に手を置いて真剣な表情で真面目に言った。 「抱きしめても良いか?」 「、、、もちろん」 「本当か!なら、抱きしめるぞ!」 “ギュウーッ” 「可愛いな!本当に可愛い!」 「葵ちゃん、何してるの?」 「菫も着替え終わったのか、、、菫、抱きしめて良いか?」 「へ?、、、い、良いよ!もちろん、良いに決まってるよ!」 “ギュウーッ” 「菫、俺も良いか?」 「暗も?良いよ」 “ギュウーッ” 「菫は凄い美人だ」 「うん。菫、凄い美人だよ」 その後、私が着替え終わると二人が抱きしめて来た。 緑視点 ボクは着替えてる三人を連れて来る為、三人が着替えている部屋に来た。 “トントン” 「緑だけど、入って良い?」 「緑さん?どうぞ」 “ガチャ” 「三人共、みんな待って、、、」 「緑さん?」 三人の姿を見て固まってしまった。 (凄い、、、) 「緑さん?どうかしたのか?」 「、、、はっ!いや、大丈夫!ただ、三人が凄い可愛くて綺麗だったから見とれてただけだから!」 「、、、緑さんにそう言われると嬉しいな」 「うん。可愛いもんね、緑さん」 「緑がそう言うなら俺の格好も大丈夫そうだな」 三人共、嬉しそうな顔で笑っている。 (あー!可愛い!ここは天国かな?) 「兄さん達が待ってるみたいだから早く行くか」 「うん」 「ああ」 「ちょっと待って!」 「なんだ?」 ボクは体がスッポリ入る大きな布を三枚取って三人に渡す。 「その布を被って」 「布を?」 「まぁ、良いけど」 「何故こんな事をするんだ?」 「三人の姿を見たみんなの反応を見てみたいからだよ。だからお願い、ね?」 「緑がそう言うなら」 そう言って三人は布を被り姿を隠した。 (三人の姿を見たみんなの反応が楽しみだな。絶対に見とれるよね?) 「ボクが名前を呼んだら布を取ってね?」 「分かった」 ボクは布を被った三人を連れてパーティーをする部屋に向かった。 紅視点 緑は三人に布を被せて連れて来た。 事情を聞くと『三人の今の姿を見たら凄く驚くだろうから、その反応を見てみたいからボクに一人ずつ紹介させてくれませんか?』と小悪魔の衣装で可愛らしくお願いされたので了承した。 (緑の衣装はあいつの為の衣装じゃないのか?似合い過ぎてヤベェな。まぁ、可愛いから良いか) 「紅」 「なんだ、白」 「葵は何故あんな布を被ってるんだ?」 「緑のお願いらしい」 「緑の?何をするんだ?」 「さぁな、俺も知らねぇんだよ」 白は白いウサギの耳を動かしながら聞いてきた。 不思議アイテム店でウサギになるアイテムを買い白に盛ってそれを飲んだ白には白いウサギの耳と尻尾が生えた。 その後、かなり怒られたが反省も後悔もしていない。 (あー、、、白、思った以上に可愛くなったな。今ここに居る奴以外が白のこの姿を見たらそいつの目を潰そう) 「はーい!みんな注目して!ボクが今から三人を紹介するからね?」 どうやら始まったようだ。 俺はこの後、三人の姿を見て悶え死にそうになる事を知らなかった。 明無視点 今日、私は紅に不思議アイテム店の鳥になるアイテムを盛られ、それを飲んだら白い羽根が背中から生えてきた。 まぁ、どうせ1日立ったら元に戻るので良いのだが、衣装をどうするか悩んでいたら紅が天使の衣装を渡してきたのでそれに着替えた。 黒にもう少し驚くか怒るかしろと言われたが私にとってはどうでも良い事だった。 どうやら緑が今から三人を紹介するみたいだ。 「まずは、暗から紹介するね!暗、布を取ってくれる?」 「うん、分かった」 そう言って布を取った暗の姿に驚き固まった。 「暗は黒い猫又で~す!可愛いでしょ?抱きしめたくなるほど可愛いでしょ?」 「、、、恥ずかしいんだけどっ!な、何?明?」 気づくと私は暗を抱きしめていた。 暗は頭に黒い猫耳を付けていて服は着物でお尻の所に黒い猫の尻尾が二本生えていた。 着物は黒色で柄に金魚の絵が書いてあった。 暗は着物を少し着くずして着ていて足と胸がチラチラ見えていた。 「明?」 「可愛い、私の暗“チュッ”」 「なっ!明、恥ずかしいからやめッ、んっ」 いつも無表情の暗が恥ずかしそうに私を見上げてきたので我慢出来ずにキスをしてしまった。 (ああ!天使がいる!いや、天使の衣装を着てるのは私か。だが、天使みたいに可愛らしい!) 「あ、明!ちょっと、んっ、待っ、んんっ」 「可愛い。私の暗、愛してる」 「んっ、、、、はぁ、恥ずかしい奴」 暗はため息をつきながら私の首に手を回して私に甘えるように抱きついた。 この時、周りの連中が暗の可愛い姿と甘える姿を見て悶えていたのを知らなかった。 灰炉視点 今日の朝、パーティーの準備を手伝いに行った。 そのお礼だと紅さんが出した飲み物が不思議アイテム店のアイテムだった。 気がついたらオレに狼の耳と尻尾が生えていた。 呆然としていたオレに紅さんは狼男の衣装を渡してきたので呆然としながら受け取った。 明無先生が愛しそうに暗李を抱きしめていて、暗李も珍しく明無先生に甘える姿を見ていた。 「っ~、暗、可愛い、、、は!つ、続いて紹介するね!次は菫を紹介するよ!菫、布を取ってくれる?」 「え?もう良いの?」 「うん、大丈夫だから取ってくれる?」 「うん」 布を取った菫の姿にため息をついた。 「菫は雪女の衣装でっす。ため息が出るくらいな美人さんだよね~」 「あう、その、あの、は、灰炉くん」 菫が助けを求める様にオレを見たのでオレは自分の腕の中に菫を閉じ込めた。 菫は着物を着ていて白い布地に雪の結晶の柄がついていて帯は菫の目と同じ菫色だった。 引きずるくらい長い着物の足元を少しはだけさせているのが色っぽい。 「大丈夫だから落ち着け、菫」 「うん。ありがとう、灰炉くん」 オレは菫を落ち着かせる為に菫の頭と背中を優しく撫でた。 菫は少し落ち着いたのかオレの服を握りしめながら涙目でオレを見上げて笑いなが礼を言った。 (っ~、、、可愛いな、ちくしょう!) 「灰炉くん?」 「何でもねぇ。もう大丈夫か?」 「うん。けど、もう少しこのままでいてくれる?」 「っ、、、分かった」 キスしなかったオレを褒めて欲しい。 菫は人前でキスされるのを嫌がるので我慢した。 (二人きりになったら覚えてろよ?) オレの周りの人達はいつより儚げで色っぽい菫に守ってやりたい衝動にかられていたのを知らない。 鈴矢視点 今日の朝早くからパーティーの準備をして疲れていた所に紅が飲み物を出してきたのでありがたくそれを飲んだら虎の耳と尻尾が生えてきた。 盛られたと分かったが他の奴らも被害にあっているのを見て怒りより呆れが先にきた。 灰炉と菫の微笑ましい姿を見て心が穏やかになっていた。 「このカップルは微笑ましいよね。じゃあ、続けるよ?最後は葵だよ。葵、布を取ってくれる?」 「ん?もう良いのか?」 「うん、だからお願い」 「分かった」 布を取った葵ちゃんの姿を見た瞬間に呆然として見とれてしまった。 「葵は青行燈(あおあんどん)っていう少しマイナーな妖怪だよ。なんというか見とれるしかないよね?萌えるしかないよね?」 「そうか?まぁ、変じゃないなら良いが、、、どうだ、鈴の兄さん?」 「あ~、もう駄目」 オレは我慢出来なくなり葵ちゃんを引き寄せてキスをした。 葵ちゃんは青色の着物を着ていて柄には青い蝶がたくさん描かれていて腕には薄い青色の羽衣を巻いていた。 着物の丈が短く太ももまでしか無く葵ちゃんの綺麗な足が惜しみ無く出されていた。 葵ちゃんは手に青色の提灯を持っていて、いつもは首元で一つにまとめている腰まである髪を下の方で結んでいた。 「んんっ、はっ、急にどうしたんだ、鈴の兄さん?」 「綺麗で可愛いよ葵ちゃん」 「んっ、また、鈴の兄さん、んっ、ふ」 「ん、ゴメン、可愛過ぎて我慢出来なかった。なぁ、もう一回良いか?」 「、、、ああ」 葵ちゃんは恥ずかしそうなけど、嬉しそうな顔で笑ってオレのキスを受け入れた。 (あー、キスだけで終われるかオレ?) オレの周りの奴らは葵ちゃんの姿を見てその色気にヤられていた。 紅視点 可愛く変身した三人を見た後は美味しそうなハロウィンパーティー用に用意した料理やデザートを食べる事にした。 「よし、みんな食べるぞ!」 「ああ、そうだな」 「それじゃ、いただきます!」 「「「いただきます!」」」 みんなが食べ始めたので俺も食べる事にした。 (何から食べるか?パンプキンスープ、カレー、パン、うどん、餃子、パスタ、、、そうだ!) 「葵」 「なんだ?兄さん」 「煮付けを食べさせてくれ」 「煮付けをか?分かった。ほら、少し熱いから気をつけてくれよ?」 可愛い姿の葵の手ずから食べさせてもらう。 (旨い!葵は可愛いし料理は旨い。本当にハッピーハロウィンって感じだな) 「どうしたんだ、兄さん?」 「いや、楽しいと思ってな」 「そうだな。オレも楽しいぞ。ハッピーハロウィンって感じだな」 「はは!俺もそう思ったぜ」 「兄弟だから考えが似るんだろう。オレは兄さんがオレと同じ事を思ったのが嬉しいぞ」 「あー、本当にお前は可愛いな!」 俺は可愛い事を言う葵を抱きしめ心行くまで撫でまわした。 近くにワインが置いてあったのでグラスを一つ葵に渡してワインを注いだ。 「俺の可愛い葵。今日は一日中幸せでいろよ?」 「ああ。兄さんもな?」 “チン” 「「ハッピーハロウィン」」

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