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第10話

辰巳の口の中で与えられる刺激に、口は開きっぱなしのまま、甘い声が途切れることなく溢れでる。 「はぁあっ…っああぁ…っくぅ!はぁああん…」 「木島…ふぁだか?」 辰巳の言葉に「まだ」と頷いて答える。 数回のやりとりの後、辰巳がため息を吐きながら僕を出した。 はあはあと肩で息をする僕に、顎をさすりながら、 「これ以上は無理だわ。スるつもりなかったけど、このままじゃな…俺なんかで悪いけど、お前の童貞貰うな。」 「辰巳…君?」 「大丈夫、怖くねーよ。お前はじっとしてればいいから。」 そう言うとちょっと待ってろよと言って、カバンの中から小さなプラの容器を出してその蓋を開けると、自分の指にその中身を垂らす。 「あんま見んなよ?」 そう言うと僕に跨って自分の背中の方に手を持っていくと、お尻のあたりに指を這わせ出した。 「久しぶりだから、ちょっとやりにく…い…な、んっ!」 見るなと言われても目がその姿に釘付けになった。辰巳の指が自分の後ろの穴に ぬぬぬと入っていく。奥まで入った指が穴ギリギリまで出てくると、再び入っていく…それを繰り返すうちに、動きは滑らかになり、オイルと指が穴の中でグチュグチュとイヤらしい音を出し始めた。 「ふぅぅん…あっはぁあああん。」 辰巳の口から出る嬌声とその行為に、何度も喉が鳴る。 その内、指が二本、三本と増え、その声も大きくなっていった。 「んあぁぁっ…あぁぁあああっんん…くぅっんーーー!」 その指を穴から出すと、僕のモノに先程のオイルを垂らした。 「俺なんかで、ごめんな。」 僕の上半身を起こして向き合うと、僕のモノに手を添えてキスをしながらその腰を沈めようとするが、先端を入れたところで、「無理ぃ」と言いながら頭を振って唇が離れる。僕の首に手を回して、体が落ちないように僕に身を預けた。 「先輩のならいつもやってたから簡単に入ったんだけど…卒業してからずっとシてなかったから…んんっくぅっつう!」 先輩とこういうコトをやっていたと言う辰巳の話に、何故かイライラした僕が、 「その先輩のこと、好きだったの?」 尋ねると、辰巳の顔に赤みが差していく。 「ばっ!そんなんじゃねぇって!」 それが嘘だと分かる位に焦っている辰巳を見て、何故かむかっとした。 先輩のは入ったんだけどな…と言いながら、腰を少しずつ沈めようとしている辰巳のその腰を両手で掴む。 「木島、どうした?」 辰巳が僕を見つめる。 「辰巳は先輩は受け入れられても僕は受け入れてくれないの?」 「受け入れないとかじゃなくて、先輩のは何回もやって慣れてたからさ。」 「聞きたくないよ、そんな話!」 「木島、どうしたんだよ?」 「僕を…僕の事を受け入れてよ!!」 掴んでいた腰をぐいっと一気に引き下ろした。 「うあああああああああっ!!!」 辰巳の叫び声が闇を(つんざ)く。 背中はのけぞり、がくがくと痙攣した体を抱き寄せると、辰巳が悲鳴をあげたままの口で、そこからよだれがツーッと垂れていた。それを舌で舐め取ると、再び辰巳の腰を持って、今度は僕の根元までググッと引き下ろした。 その刺激に再び辰巳の悲鳴が上がった。

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