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『鼠を嬲る猫』
「随分とスケベな体になった」
「はぁっンはぁっ、はっはっ……あぁ……」
引っ掻くの駄目。
喘ぎながら懇願すると彼はさらに指先を突き立てる。
「いっ――っあぁっ」
薄い皮膚をグッと押されて、内部が押し上げられるように衝撃を受ける。
その時、ひり付くような痛みを感じた。
腹の中の疼きとは違う。
男であれば誰もが知る苦しさと、本能的な期待と喜びが綯い交ぜになり湧き上がる。
体の中心が固まり痛ささえ感じながら形を変え始めているのが分かる。
触れられていないのに。
濡れた繁みの中で色付いている。
張りつめた性器を意識すると海輝の反応が酷く気になった。
「あっは! おチンチン勃ってるね」
肉体的、生理的反応だ。
小さく返すと海輝は揶揄う様に背後から覗く。
指先一つで思う様に錦を翻弄する彼には、昂揚を楽しめる余裕が有る事が窺えた。
鼠を嬲る猫の様な楽しげな声に少しだけ腹が立つ。
「あっ、……い、厭らしい事――はぁ、はっ、ン……言わ……っッ――ない、で」
「はは。恥ずかしいのかな? でも凄いエッチな事になってるよ! おチンチンに毛が絡んでる」
充血した性器に濡れた陰毛が絡んでいる。
自分の体とは信じがたい淫靡さに、小さく瞠目した。
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