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『恍惚の溜息』

「自分で……洗うから、――もう、止めろ」 「自分でくちゅくちゅするんだ? 可愛くオナニーしてくれるの? 公開オナニーだなんて錦君どんだけスケベなの?」 「誰がするかっ寝言は寝て言え……っうぁっ?」 「ははっ強情な所も可愛い。鏡が有れば良かったのになぁ」  鏡が有れば何だと言うのだ。 「堪らないなぁ」  指先がくるりと袋の裏側をなぞる。  泡と水滴を垂らすつるりとした陰嚢の裏を叩くようにして中指と薬指で擽る。 「――っあ――っぁ」  しなやかな指が、熱の灯る核果へ伸びて、やんわりと包み込む。  はぁっと恍惚の溜息を洩らし腰が揺れそうになるのを堪える。

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