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『覚悟しろよ』

「お前意外で乱れるのが嫌なだけだ……海輝意外で感じたくない」 「熱烈だな」  顔の横に肘をつき、錦の頭の上で指を組む。  額をくっつけ笑う。  閉ざされた瞳を覆う睫の影を見つめて、錦も瞳を閉じた。 「ついでに男殺しだ」 「お前以外殺すつもりはない」  唇が重なる。  掠める程度の口付だった。 「当り前だろうが」 「次は何も使うな。お前がやれ」  海輝の項を撫でる。 「相変わらず男前な誘い方するな」  頬を撫でられて、瞼に口付られる。  海輝の掌が熱い。 「覚悟しろよ」

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