131 / 245
『覚悟しろよ』
「お前意外で乱れるのが嫌なだけだ……海輝意外で感じたくない」
「熱烈だな」
顔の横に肘をつき、錦の頭の上で指を組む。
額をくっつけ笑う。
閉ざされた瞳を覆う睫の影を見つめて、錦も瞳を閉じた。
「ついでに男殺しだ」
「お前以外殺すつもりはない」
唇が重なる。
掠める程度の口付だった。
「当り前だろうが」
「次は何も使うな。お前がやれ」
海輝の項を撫でる。
「相変わらず男前な誘い方するな」
頬を撫でられて、瞼に口付られる。
海輝の掌が熱い。
「覚悟しろよ」
ともだちにシェアしよう!