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『舌先が忍び込んだ』

 海輝が照れくさそうに笑い、額に掛かる髪を撫でつけ唇を落とした。  頬を撫で指先が耳朶を優しく摘まむ。  海輝の掌に頬をすりつけると、唇が瞼、鼻筋、そして頬を辿る。  短く息を吐き、海輝の後頭部に指を差し入れ地肌を擽れば小さな声で笑う。  頬に口付たあとを舌が這い、錦は「犬か」と笑いながらゆっくりと上向く。  海輝も笑いながら「わん」と返し、頬から唇を舐める。  湿り気を帯びた吐息が絡まる。  海輝の唇へ唇を寄せ薄く開けば粘膜を味わう様に、舌先が忍び込んだ。

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