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『視線だけで先を促した』

「あっあっん」  ぬるぬると舌先から逃げる胸の粒を執拗に追う。  右の乳首を濡らしながら左の胸に広げた掌をかぶせる。  膨らみなどないのに。  嫌らしく揉み始めるその手に錦は手を重ねた。 「んっ、何だい」  海輝が見上げてくる。  舌先が外れた途端、外気に反応しひり付いた。  自ら中断させておいて、もどかし気に体は震えている。 「……もう、ここは終わりだ」  一度は止まった愛撫に溜息を飲み込む様にして声が吐息に沈む。  秘めやかに視線だけで先を促した。

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