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『尖った舌先』
他者の熱を堪能するとはきっと今の状況だ。
軟体動物のように濡れて温かな舌が、胸から腹へたどり着く。
左右の腰骨に手を添えて、額を腹に擦りつける。
吐息がかかり恭しいともいえる程丹念に唇が皮膚を愛でた。
「んっ! う……ぅン――あっ!」
柔らかな感触をかんじていると突然、鋭い刺激に総毛立つ。
「うっぅ」
呻きは苦痛に似た響きで吐き出される。
尖った舌先が臍に入りこみ蠢く。
体を捩じるが、足の間に身を置かれ両手で腰を掴まれているので逃げる事もままならない。
薄い皮膚を通し内部を突かれ本能的に体が引き攣る。
心地良さよりも、怯え交じりに上下する腹を宥める様に撫でた。
「ここは苦手かな?」
「少し刺激が強く感じる」
「開発のし甲斐がある」
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