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『巧みな舌使い』

 行為が続き、錦は瞳を閉じ息を吐く。  臍を弄られると、違和感がある。  慣れていないからだろう。  海輝の巧みな舌使いを以てしても快楽は無く体は怯むばかりだ。  リネンが湿度を含み、背をしならせるたびに波打った。  舌先が捩れる度に腰が跳ねのたうつ。 足に力がこもり、思わず海輝の肩や頭を締めあげていた。  苦しかったのだろう。  膝の間から抜け出し横で足を崩し座ると、そのまま上半身を伏せる。  犬が餌を食う姿勢で、錦の肌に舌を伸ばす。 「んっ、くすぐったいっ……」  甘ったるい抗議の声に腹の辺りでふふっと笑う息が漏れた。  まだ敏感に熱を持つ乳首を指でつまみ弾きながら臍の周囲を濡らし舌を差し入れた。  向き合い重なっていた時よりも愛撫が大胆な物になる。  舌で愛撫をしながら胸を撫で、空いた手を尻にはしらせる。  そっと柔らかな双丘に指を食い込ませて、ゆるゆると揉みだした。  時々指先がひくつく後孔に触れ、触れられる度に受け入れたらどうなるのかを意識する。  そして思わず膝を擦り合わせた。  

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