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『喋るならキス一つでもしろ』

「もう黙れ、変態。喋るならキス一つでもしろ」  若干不貞腐れ気味の錦に噴き出す。  眉間に皺を寄せて見返せば、伸びあがる様にして錦の唇に唇を合わせる。 「錦君はキスが好きだね」  舌が触れ、海輝が舌を絡ませようと蠢く。  錦は思わず無意識に差し出した舌を引っ込める。 「んぅ、ふっ」  角度を変えて何度も繰り返すうちに、次第に合せるだけの唇が深い物へと変わる。  舌を吸い海輝の手が脇腹、腰を撫で足の間にすべり込む。  整いかけていた息がまた乱れ始める。  性器を覆う錦の手の甲を指先が滑る。  浮き出る骨の凹凸を撫でられ、くすぐったさに手に力が籠る。  いっそう頑なに指を閉ざし、解けそうにない指を海輝が面白そうに笑う。  瞳が悪戯っ子の様に輝いた。

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