161 / 245

『狼狽』

「口では……」 「舌でぬるぬるされるの気持ち良かっただろ? 錦君が沢山感じてくれて僕も嬉しい」  手を掴まれて、まだ硬さを保つ錦自身を握らせる。  掌に自身の熱量と脈を感じ、思わず手を引こうとするが海輝の手が重なる。  優しいが拒否できない強さで錦の手ごと握り込んだ。 「自分の体だろう? どうなってるか知りたくないの?」  ねっとりと粘液で固まった性毛の感触に声が小さくなる。 「……だっ、て、そんなの」  何て事をしてる。  海輝に見られながら自分でそんな所に触れるなんて。  狼狽し恥らう。 「触ってごらん」  錦のもう片方の手を取り陰嚢へ導く。  屹立だけではない、その下の陰嚢も粘つく体液で濡れて触れた指が滑る。  熱く柔らかい。  柔らかいのに、芯が有り固まってる。  自分の体とは思えない。  手の中で未知の生き物が脈打つ。  何だか気持ちが悪い。  手を引こうとするが海輝が許さない。

ともだちにシェアしよう!