174 / 245

『瓦解する』

「あっ、あぁ! ひぃっあっぁあ……――ッあっぁあ!」  声を張り上げながら、足を突っ張らせて達した。  殆ど吐き出すものは無かったが、熱風が脊椎を走り絶頂を極める。  一気に体中の熱量が放出され、何もかもが瓦解する様な感覚。  迎えたカタルシス。  ぶつりと聴覚も視覚も途切れ束の間の死を体験する。  僅かな空白ののち、先ほど回っていた視界が緩やかに定まる。  視覚を取り戻すと、体がどっと重く感じた。 「ぁあ………あぁ……あっ」  舌が抜けると、腹の奥が酷く切なく感じた。

ともだちにシェアしよう!