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『お前の物にしてくれ』

 ――天の川が氾濫しようと、俺だってお前に会いにいくさ。  次は自分から会いに行こう。  彼の所に、自分の意志で会いに行こう。  自分の意志で彼の元へ駆けて行こう。  きっと彼は笑顔で両手を広げて迎えてくれるから。  彼とどういう風に過ごすか計画を立てて、彼の喜ぶ顔を想像しながら行き先を決めて。  そうして、彼と夜を越して朝を迎える。  そうだ、海輝みたいに料理が出来たらどうだろう。  海輝はとても驚く筈だ。驚いた顔をした後で、破顔して喜ぶ。  何を作ろうか、基本的に彼は好き嫌いが無い。  考える何もかもがとても素晴らしい事に感じ胸を躍らせる。  静かな寝息を立てて、深い眠りに落ちた海輝のこめかみに口付けて耳元で囁いた。 「その時は、俺の全てをお前の物にしてくれ」  そして裸の胸元に柔らかな頬の感触、触れた髪の毛のくすぐったさを腕に閉じ込めた。

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