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第21話

この場では人間は、我が欲しいと願う生ある者は一人だけしか生きられぬ…それが天と我との約束。その為、間違いとは言え我がその手を掴んだ箱の中の者が在るこの場に、かつとしが社のによって連れて来られた瞬間、箱の中の者はこの約束により消滅する。それをさせない為に社のとかつとしを引き離し、かつとしからその魂魄を抜いて他に保管しておく必要があった。そして前日に我でその身体を満たし、魂魄を抜き取った後の命を継続させる為の活力と為す。 「元気なままで返してね!はい、約束。」 無邪気というのは時に何よりも恐ろしい。 かつとしの身が危ういこのような事をしてもなお、この約定により我は箱の中の者を社のに「元気なまま」返さねばならなかった。その為に生きながらにして魂魄を一瞬でも抜かれたかつとしの肉体は、しばらくは我が与える濃い活力を糧とせねばならず、その意思とは関係なく我をその身に何度も受け入れねばならない。 少しでもそれによる負担が軽くなればと、かつとしを眠らせた。 手を振り、かつとしからその身を隠す布の全てを取り払う。 すでにその身に残る我が僅かとなり、かつとしの体がそれにより薄くなりつつあった。 「すまぬが、これも其方の為…許せよ。」 それでもようやく我の手で直接触れる事ができる。 それが我の心を嬉しがらせた。 まるで初の者のようにかつとしの顔にそっと触れた。 「ん…」 かつとしの声がその口から漏れる。 それを我の口で覆い、かつとしの体の負担を軽くするよう、昨日よりは薄めた媚薬を我の舌と共にかつとしの口の中に挿入する。無意識にも関わらず、その甘い味にかつとしの舌が反応し、我の舌に絡んできた。 これでも反応するのか…唯一の者とはこの様にも違うものかと、その反応の良さに驚く。 明日はもっと薄めねば…。 すでに我の方が後悔するほどにかつとしは我の口を吸い続けていた。 これでは眠らせていなくても…いや、しかしこれもかつとしの本心にはあらず。 なればやはりこのままで…。 我の手がかつとしの身体に触れる。 「あっ!」 かつとしが我慢できずに口を離し、声を上げる。 その機に乗じて、再び我の口を吸おうとするかつとしを手で制すると、我の舌が首を這い、鎖骨の窪みを舐め、胸の突起を口に含んだ。 「あぁっ!」 かつとしの腰が揺れ浮き、我に擦り付けてくる。 無意識の上、あの程度の媚薬でもこのように我を煽るか…ならば少々の事は…。 我の中の意地の悪い者が顔を出す。 このまま、我を受け入れるソコに何もせずに一気にかつとしの中に入ったら…この可愛い顔が涙で崩れ、さらに我好みに…いや、初手から我を突き入れては泣く前に壊れてしまう…いや、媚薬によりそうはならぬか…ならばそれも一興…か? ふと温かみを感じて見ると、我の胸への突起への刺激に、かつとしが気をやっていた。 それを指で掬い舐めると、ごくんと喉を鳴らす。 残りを手のひらで擦り、かつとしの顔になすりつけた。 それを舌で舐めとっていく。 「くすぐ…ったい…あっ…ん。」 可愛い声を上げるものよ。 しかし…と思う。 赦しを得ずに果ててはならぬと昨日も申しおいたはずなのだが…このように意識のない者に無体な事をとも思うが、我の残虐な者が我に囁く。 寝ている間にしかできぬ事、目覚めればそれも夢。なれば好機っ!! その言葉に腰が動いた。 何も施さぬままに我をかつとしのソコに当てると、かつとしがぶるっと身震いをした。 それを抱きしめその耳に囁く。 「目覚めればその記憶の片隅にも残らぬこれは夢。何も怖がる事なく我を受け入れよ!!」 その身体を持ち上げて、一気に我のものを突き刺す。 「いぃぃっ…あーーーーーーーーっ!!!」 かつとしが悲鳴をあげ我の手から逃げようともがく。 しかし、かつとしがもがけばもがくほど、それは無常にも奥深くに入っていく。 しかしついにそれも止まり、かつとしがあげていた悲鳴も止み、はあはあと息を荒くする。 しかしその腰を我の手が掴み、もっと奥深くまで我を受け入れさせる為、ねじ込んでいった。 突然のことに呼吸もできず、何かを掴もうと手を必死に伸ばす。 その手を我の首に回すと、必死に抱きついてきた。 可愛いやつよ。そう思いながらもぐっと足に力を入れた。 「勝手に果てた、仕置きを受けよ!」 そう言ってそのまま我が立ち上がる。 かつとしの腰が落ち、またも我のがかつとしの奥深くに入っていく。 「破裂…する…」 そう苦し気に言葉を絞り出し、かつとしは意識をついに手放した。 「ようやくか…なればっ!!」 この先は気を保ったままではきつかろうとそれがなくなった今、我のがかつとしの体の中を一気に擦り上げていく。まるで木の葉のように揺れるかつとしの体の中に我の体液を流し込み満たしていく。しかしそれはまるで砂漠のように吸い取りすぐに渇いてしまう。 何度も何度も繰り返し、ようやくその身を満たした時には、我ですらぐったりと横たわる事しかできなかった。 少しずつ緩和されるとは言え、これではかつとしもさる事ながら、我も媚薬を施さねばなるまいか? 隣で気持ちよさそうに眠るその鼻を指でそっとつまむ。顔を横に向けて、我の手を外し、再び安らかな寝息を立てる。 やはりこの事は夢の出来事としておこう。 これがかつとしの負担とならぬよう。 そう考え、足下の薄手の布を肩が隠れるようにかける。 その布を顔で擦ると気持ちがいいのかふわっとした笑顔を見せた。そのままで寝息を立てるかつとしを抱き寄せると我も深い眠りについた。

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