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第22話

「夢などと…あっ…嘘ば…っかり…んんっくぅん…って…あっ…だ動かし…ンァっん…たらダメってぇ…あーーーーーーっ!!」 何度目かの我からの糧の行為。 かつとしがすでに眠りについていたので、我はそのままいつものようにかつとしに我を与える為の行為を始めた。 同じ媚薬を与えたにしてはいつもよりも反応が鈍く、しかしそれはそれで良いものよとまるで初めての者を抱くような感覚を楽しんでいた。 「かつとし…今宵のこれも夢。我を受け入れよ。」 「…そつき。」 「ん?」 「嘘つきと、これは夢などではないと言っているのです!」 「眠っていなかったのか?」 「こちらへ来てから毎夜、毎夜…あのような夢を見るほどに私は欲求不満なのかと心配になったのです!」 ぷいと我から顔を背けるも、その顔が紅潮していく。 そっとその顔に触れる。 「おやめ下さい!嘘つきは嫌いです。」 「嘘をついたのは、すまぬ。だが、我を受け入れねばならない、其方の心の負担を少しでも取り去る為にはこうするしかなかったのだ。許せ。」 「負担?」 「そうだ。其方の心が我にない事は分かっておる、その心を読むまでもない。されど、今は毎夜、我が与える精のみが其方の肉体をここに留まらせる唯一の糧。仕方のない事とは言え、出来得る限り其方の負担を取り除きたかったのだ。」 「勝手な事ばかり…どうしてお読みにならないのです?私の心をお読みにっ!!」 「我は恐ろしいのだ。其方の心に残っているであろう、社のへの想いが…恐ろしいのだ。」 しんとした静けさの中、かつとしが我の手を取り、自分の胸に寄せた。 「何だ?」 「読んでください!今すぐに、私の心をお読み下さいっ!!」 「…無理はするな。」 「無理かどうかも含めて、あなたにはその全てが分かるはず…さあ!!」 かつとしのその気迫に押されるようにその心を読む。 「私の全て、その隅々までも貴方で満たされたあの日から、私が恋焦がれ、身も心もやるせ無いほどに欲しがっているのは貴方だけ。それがたとえ夢の中の私でも、貴方に愛されていると言うだけで、嫉妬で身も心も焼き尽くすよう。」 その想いの強さにあてられ、体が火がついたように熱くなる。 かつとしからは我に愛されその身を焦がす霰もない姿までもが流れてきた。 「まこと…か?誠にこれが其方の心の内か…?」 「あぁ、もう言わないで下さい!嘘がつけない事はあなたの方が知っているでしょう?」 「だが、このように我に都合の良い心など…どうした?」 その姿が目の前から消えた、と我の背に周り隠れていた。 「どうした?」 「止められず、とんでもない私の望むことまであなたに見せてしまうなんて… 恥ずかしい。」 「あれは我とのここでの記憶ではないのか?」 「え?…あぁっ!そう…そうです!もう、私の心はお分かりになったはず…これより先は読むのはおやめ下さい…」 その言い方に何かを感じ取った我が再びかつとしの心を読むと、我とのそれとは違い、もっと執拗に責め立てられ、それに嬌声をあげ続けるかつとしの姿が流れてきた。 「ほう、これはなかなか…なるほど、しつこい方が其方は好きか…」 「あ、読むのはやめて下さいと言ったのに、意地悪っ!!」 そう言って我の腰のあたりを手を握って叩く。 「ほう、舌が分かれるアレはそんなに良かったのか?刺激が強すぎたかと思いやめていたのだが…我の思っていたのとは相当な違い…ふむ、それにしても、媚薬の効果が相当薄まっているようだな。其方がこのように理性を保っているくらいには…」 「あ…媚薬は飲む前に捨てました。なので…。」 「そこまでして、夢かどうかを知ろうとしたか…今宵も大分いじめてしまったが、きつうはなかったのか?」 「嬉しくて…貴方に抱かれていることが、愛されていることが嬉しくて、きついだなんてっ!!」 「我の負けのようだな…其方の心を見てさえいれば、いや、きちんと其方に直接尋ねてさえいれば、このように其方に辛く苦しく悲しい思いをさせずに済んだはず…我に顔を見せておくれ?」 そう言って後ろに隠れるかつとしを手を交差して少し伸ばすと、そのまま抱き上げて我の前に下ろした。 「う…腕がっ!?」 「あぁ、伸びるぞ。気持ち悪いか?」 頭を振る。流れる姿に我の腕で拘束されて上から突かれるかつとしの姿が流れてきた。 「なるほど、我の腕にこの様な使い方があったか…」 「読まないで下さいと言ったのに…っ?!」 喚く口を我の口で塞ぐと、かつとしがガクンと腰を落とした。 抱き上げて座った我の足の上に置く。 「どうした?」 「あの様なキスをするなんて反則です!!」 「ずっとしているぞ?」 「私には夢の中の出来事だったんですっ!?」 再び、その口を塞いだ。二人の舌と唾液がクチュクチュと絡まっていく。そこに甘い味が広がると、かつとしが唇を離した。 「媚薬は、使わずに…今夜は愛して下さい。」 「良いのか?その身に我はキツいぞ?」 かつとしが我のを見て一瞬体が強張る。しかしその首を振ると 「あなたを素のままで感じたいのです。だからどうか、使わずにっ!!」 そう言って、我の胸に顔を埋めた。

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