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第25話

敷布の上にそっとかつとしを横たわらせ、その体に手を翳す。 顔を撫でるとかつとしの意識が戻った。 すぐに舌を噛もうとするが、口を動かす事はできない。 「なんですか、これは?」 「其方が己で己をを傷つけようとした時、其方の体が動かぬようにした。」 「解いて下さい!私は貴方を裏切った。あの人の、卜部さんの手を取り、共に行く事を選んだ…私をあの人の元に行かせて下さいっ!!」 ーずっと一緒にいたい!主様と共にありたい!主様にもっともっと愛されたい!! 真逆の意思が流れ込んでくる。 「我はな…」 かつとしの気を落ち着かせるように、静かな声で語り出す。 「我はな、かつとし…其方と同じ名のあの者を愛しはしなかったが、しかし可愛くは思っていた。」 かつとしが耳を傾ける。 「故に我はあの者に尋ねた。ここを出なければ、その命はまだ先まで伸びる。されど人の世に戻ればお前の寿命はもって数年…それでも社のと戻りたいのか?と…あれは頷いた。どのように短くとも、例えそれが一瞬でも人の世で社のと過ごしたいと。」 「そんなっ!?」 「あの者は長き間、運命の悪戯によりここで暮らさざるを得なくなった者。されどその運命を嘆きもせず、我の話し相手となり、我を楽しませてくれた。 それ故、死んでまでなお、あの者が泣くような事は我には出来なんだ。」 「…?」 「本来ならば我の物に手を出した罪により、魂を滅し、その存在を消し去るべき所なれど、あの者の元に行かせてやったのよ、社のをな。」 「え?」 顔を上げ、驚きのあまり目を点にして我を見つめる。 そのように呆けたままでいるかつとしに近付き、そっと抱き寄せ、耳に囁く。 「かつとし、其方が行ってもあの者に邪魔にされるだけぞ?ようやく二人になれたのに…とな。」 かつとしの顔が一気に紅く色付いた。 「主様は意地が悪いっ!!」 「我の意地の悪いのは、かつとしもその身でよう知っておろう?」 先ほどよりも顔が紅潮し、抱く身も熱くなる。 「…嫌いです。主様なんか大嫌いです!!」 「ようやくかつとしから再び主様と呼んでもらえたのに我は嫌われたのか…寂しいのう。」 「…意地悪…主様の意地悪っ!!」 そう言うとぷいと横を向いて頬を膨らませた。 「のう、かつとし?」 我の手がその顎を掴むと、顔をこちらに向けさせる。 「社のの心配よりも己の心配をせねばならぬのではないか?」 ビクンとその身が跳ねる。 「あのような偽りを申して我を悲しませ、悪口雑言にて我に抗い、我の許しなく己の命を終わらせようとした…相当な罪ではないか?」 「それなら檻に入れるなり、処刑するなり、お好きにされるがいい!」 我を煽るか… 「可愛い強がりを言うものよ…ならばこれよりかつとし、其方を我が…いや…ふふふ、そうであった。罪人にわざわざ我が施しをするなど愚の骨頂…なるほど、あれへ隠しておいたのか…」 片手を伸ばし、かつとしから読んだ隠し場所を探る。 それを見たかつとしの顔色が赤から青へと変わっていった。 「主様!!やめて下さいっ!!!」 必死に我の手を掴もうとするが、もう片方の手でしっかりと抱きしめられたそれはただ空を掻くだけ。 「これか…ふむ。もう少し太さと長さ、それに滑らかさ…おお、これはなかなか良い仕置き道具になったわ…のう、かつとし?」 我の手の直しによる張り型をかつとしの目の前で揺らす。 かつとしの喉がごくりと鳴った。 「さて、我の目を楽しませておくれ、かつとし。」 「目を?!」 その手に張り型を握らせると囁いた。 「己で己を慰めよ…それが其方への仕置きだ。」 一瞬の沈黙の後、 「な…にを…っやです!いやです、そんな事っ!!」 手から張り型が落ち、青ざめ、涙を流す。 ぞくっと背に冷たいモノがはしる。 この顔、かつとしのこの顔が見たかったのよ。 舌で唇を舐めると、落ちた張り型を再びその手に戻す。 「其方が我を煽ったのだろう?好きにしろと…ん?」 「でも…こんな事は出来ません!主様、嫌です!無理です!お許しを!!どうかお許し下さい!!!」 必死に哀願するかつとしを、身震いする程に愛おしく想う。 この顔がどこまで崩れるのか… かつとしが今の我の心の内を読んだなら、その心は壊れてしまうやも知れぬな。 我の事なれど苦笑いが広がる。 そろそろ我への諸々の後悔をその身で受けてもらおう。 「嫌な事、出来ぬ事、そうでなければ仕置きにならぬではないか?さあ、我の知らぬその姿を我に見せよ!」 我が座る前の敷布にかつとしを座らせる。片手を肩に置き、逃げぬように押し付ける。 「さあ、せよ!!」 逃げられぬと観念したかつとしが我の視線を閉ざす為、目を瞑るとおずおずと胸のあたりを手でさすり出す。 時々、その手が突起を擦るとその口から甘い声が漏れる。 「ん…あっ…ん…」 何やら違和感を感じ、その思いを読む。 「かつとし、我を謀るか?!」 「だ…って、出来ません!!」 涙で顔を崩す。 触れているように見せかけるとは…全く我も舐められたものよ。 「ようわかった。」 「主様っ!?」 「できるようにしてやろう。」 「え?!」 その身を我の足の上にうつ伏せに置く。 小さな張り型を作り、薄くした媚薬を、理性が飛ばぬ量を塗るとそれを固く閉ざした窪みに指で押し入れた。 「主様っ?!」 「じっくりとその身で味わえ、仕置きの味を…」 再び座らせると、最初こそもぞもぞと動くだけであった体が、段々と汗ばみ、それを捩り出す。 前の合わせが開きそうになるほどに盛り上がり、シミが広がり出していく。 「またもこのような粗相を…かつとしは我慢がきかぬのう…」 布の上から息を吹きかける。 「ひぁああっ!!」 触れられぬそれへの刺激に頭を振って波を見送ろうとする。 されど二度三度と吹きかけられる息に、それでは追いつかず、足がばたつき、唇を噛む。 「んーーくぅっ…んん…んーーーーっ!!」 手が動こうとするのを、ぎゅっと拳を作って我慢する。 「ぬ…しさ…ま…っんーーーーー!」 涙に濡れた顔で我に哀願するが、波に飲まれそうになり、言葉にならない。 とうとうその手が胸の突起を弄り出した。 「見ない…で下…さい…んっ!あ…くっ…うぅん…」 初めは我の目を気にしながら触り出した突起への刺激により、快楽の波がついにかつとしに理性を流させた。 されどそれでは仕置きにならぬのよ。 「かつとし、なかなかに良き様子よのう?我の目も大分喜んでおるぞ。」 ピクンと体が反応し、手が止まる。 一気にその体の隅々までもが真っ赤になり、恐る恐る瞼が開く。 「あっ…私は…こんな…いやっ!見ないで下さい!主様、何でも言う事をききます。主様にされる事ならその全てを受け入れます!だからっ!!」 「かつとし…これは仕置きぞ?」 「いやですっ!慈悲を…どうか…」 そう言って我の首に腕を回し、唇を合わせる。 「っすけて!どうか…主様助けて下さい!!」 その必死さに、むしろ我の心はかつとしをもっと追い詰めたくなる。 「よしよし…我も鬼ではない。愛しいかつとしに助けてと言われれば、この心も揺れ動くというもの。そう、これより先は我がその身に命を下そう。さすれば愛しいかつとし、我をずっと見つめ続けておくれ?」 「みつめ…っやです!そんなのは無理です!」 「のう、かつとし?あれも嫌、これも嫌では仕置きにならぬではないか?仕方ない、少し動かしてみるか。」 指をくいっと動かす。 「ひやぁあああん!やめっ!あっあぁあっん!」 かつとしの窪みに入れてある張り型が静かに振動し始める。 それが引き金となった。 「主様、見ないで…見ないでぇ…あっあーーー…!!」 ついにその手が理性を保ったままで動き出す。 突起に手を這わせそれを指で強く掴み、コリコリと指の腹で動かす。 「はぁっん…見ない…んんっ…で…っ!!」 片方の手が何度もそこを行ったり来たりしながらついに窪みに辿り着くと、我の入れた張り型を押し出し、そこに己の指を入れていく。既に解されたそこに指を増やし、奥に飲み込ませていった。 「もうっ!あっ…いや…はぁ…止まら…なっ…んーーーーあぁっ!!!」 その手に我の張り型を持つと、窪みに先端をあてる。 はぁはぁと荒く息をつくが、それを入れる決心がつかぬかつとしに、我の手を添えてやる。 「やめっ!!主様、おやめ下さい!!」 涙で顔をぐちゃぐちゃにしたかつとしの頬を舌で舐める。 「このように涙を流すか…でもまだ足りぬ!これでは足りぬ!!」 非情にも我の手が一気に張り型を窪みに押し入れた。 「あーーーーーーーーーーーっ!!!」 媚薬による潤滑油がそれを奥に奥にと受け入れていく。 「さあ、ここを持て。」 張り型をかつとしの手に握らせると、その上から我の手を被せる。 何が行われるか理解したかつとしが、青ざめ涙を流し、そこから手を離そうとする。 「いやっ!これ以上は無理です!主様、どうかお許しを!」 「許しておるから、このように手伝っている。我の手をこのように煩わせておる。何が不満なのだ?」 その顔に絶望が広がる。 それを見て思う。このような無理、幾度も出来る事ではない。ならば尚更、とことんまで追い詰めてみたいものよ。 我の残虐な者が顔を出した。 「さて、かつとしは我の手を煩わせたくはないと言うてくれているのか?」 「え?」 「そのような優しい事を言うてくれるとは…ならば我はこの手を外させてもらおう。」 「ぬ…主様?」 「さあ、かつとし。これを動かし、早う仕置きを終わらせようぞ。」 「主様…」 「我はじっくりとここで見ておるでな。」 優しい言葉でかつとしを真綿で包む様に追い詰めていく。 もうどうにもならぬと覚悟したように口を真一文字に結ぶと、かつとしがそろそろと手を動かし出した。 「くぅっ…ん。」 恥ずかしそうに顔を俯かせ、閉じた口から声が漏れ出た。 ぬちゅ 「良き音よ。」 「言わな…いで…あぁっ…ん…」 ぬちゅ、ぬちゅ 張り型と潤滑油がかつとしの中で合わさり音が大きくなっていく。 「あっ!あぁっ!主さ…まぁ…あぁぁん…」 ぬぷ、ぬぷと音が変わり、かつとしの手の動きも段々と激しくなっていく。 うつ伏せのようになると腰を上げ、一段と手の動きが激しくなっていく。 「あぁあああっ!あっ!もっ…っくぅ!イかせて…ださい!主様ぁーーーーーっ!!」 「よう出来た…我が許す。果てて良いぞ。」 我の手がかつとしの顔をそっとなぞった。それを嬉しそうに笑顔を見せる。 瞬間、我の残虐な者が再び顔を出した。 今なら突き入れられるぞと。 「かつとし、その手をどけよ。」 「主様?」 かつとしの手が掴んでいるそれごと、我が一気にかつとしの窪みからそれを引き抜いた。 「ひぃっ…やぁあああああーーーー!!」 悲鳴と同時にかつとしが果てる。それを横目で我を窪みに当てた。 「やぁっ!いやぁっ!!まだ…ってる、イって…ああああああーーーーーー!!!」 この機にしか出来ぬ事と、一気に我を突き刺し捻り込んでいく。 既にかつとしの体に力は入らず、我にされるがままその身を揺らす。何度もその身に我を受け入れ、窪みからは受け入れきれなかった我が溢れ出す。それでも我はかつとしの中に注ぎ続けた。 其方は我の物…我の…我だけの物!!その体で思い知るが良い!我の物だと!! 最後の一滴までその窪みに注ぎ込み、我の仕置は終わった。

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