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第一章・8

 丈士はねじり込むように腰をひねると、思いきり七瀬の咥内に射精した。 「んぁ! っく、んく。んっ、んッ、うぅん……」  七瀬は、上手に丈士の精を飲んでゆく。  喉を鳴らし、頬を染め、一生懸命吸い付いてくる。  やがて全てを飲み干し、七瀬は顔を上げた。 「あ~! 美味しかった!」 「そうかよ」 「うん! お酒より、美味しい!」  あぁ、と七瀬は瞼を閉じ、その味を反芻して見せた。 「まろやかな甘さをベースに、フレッシュな酸味のスパイス。時折のぞくほろ苦さ……」  やっぱり悪い人のタネは最高! などとはしゃぐ七瀬だ。 「変な奴」 「僕の? どこが?」 「その、お前の後ろでちらちら動いてる長いの、何だよ」 「え!?」  七瀬の背骨から伸びる、尾てい骨。  そこからさらに、長い尾が伸びているのだ! 「こ、これは! そのッ!」 「お前、悪魔かなんかか? そうだろ」 「……バレたか」  七瀬は、ちらりと赤い舌を出して見せた。  しかしそこには、悪びれた様子は全くなかった。

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