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第四章・3
夜7時に、丈士と三嶋は待ち合わせ場所で顔を合わせた。
「あれ? 着替えた?」
「解った?」
三嶋は大学で着ていた服ではなく、おしゃれなセットアップを、上手にカジュアルダウンしている。
「で、どの店に行こうか」
(まさか、デートのつもりでキメてきたんじゃないだろうな)
「あ、うん。何か食べたいもの、ある?」
(せっかくドレスアップしてきたのに、それでお終い!?)
丈士は三嶋のセンスを褒めると、面倒なことになりそうなので敢えてスルーした。
三嶋は、そんな丈士に不満を抱いた。
だが、それらは全て二人の腹の中での出来事。
一見仲睦まじく肩を並べると、飲食店の入っているモールへと足を向けた。
そして、イタリアンの店へ入っていった。
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