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第四章・4

「そんな馬鹿な!」 「予報で、『所により雨』って言ってたけど!」  食事を終え、店から出て腹ごなしにぶらぶら歩いていると、にわか雨に見舞われた丈士と三嶋だ。  ようやくタクシーを捕まえて乗り込んだ時には、二人ともかなり濡れていた。 「ね、相良くんの家に行きたい」 「何、言ってるんだよ。ホテルでいいだろ」 「だって、ずぶ濡れなんだよ? 熱いシャワー浴びたい」 「ホテルに、シャワーあるだろ」 「服も乾かしたい」 「服、か」  確かに三嶋の今着ている服は、早く乾かさないと皺になりそうな素材でできている。  セフレを自宅に招く、なんてことはしたくなかったが、それで恨まれるのも嫌だった。 (七瀬がいるけど、まぁいいか)  これで三嶋が自分に愛想をつかしてくれれば、それはそれで願ったりかなったりだ。  解った、と丈士は三嶋にうなずいた。 「運転手さん、南区へ行ってください」  三嶋は腹の中で、ガッツポーズを取っていた。

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