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第五章・2

「んぁ、あぁ。はぁ、あ。相良、くん……!」  丈士の律動に併せて、三嶋は切ない声を上げていた。  ローションで潤った三嶋の体内に、丈士はぬちゅりぐちゅりと打ち込む。 (やっぱ、七瀬に比べると劣るか)  セフレとして、惰性で続けてきた関係だが、本当にそろそろお終いにした方がよさそうだ。 (締りも粘りも、七瀬の方が上だ)  そう考えると、もはや腰を穿つことも義務のようなものだ。  もう吐いてしまえと、丈士は速く激しく抽挿した。 「ああッ! ん、あぁ! イくッ、イッちゃうぅ!」  びゅるッ、と三嶋が射精した。  その後に、丈士も彼の体内に精を放った。 「あ! あ、あぁ、あ……ッ!」  三嶋の震えが治まるのを待たずに、丈士はペニスを引き抜いた。 「え……?」  いつもなら、もう少し余韻に浸らせてくれるのに。  呼吸が整うまで、待っていてくれるのに。  心が冷え込まないように、三嶋は丈士に訴えた。 「ね、今夜は泊ってもいい?」 「ダメ。帰れ」  即答!?  こんな時だけ、すぐにハッキリ返事するわけ!?  丈士はさっさと起き出し、バスルームへ行ってしまう。  三嶋は、唇を噛んで耐えた。

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