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第五章・8

「あと、ね。エッチもしちゃった」 「な……!?」  石川さん、すごかったなぁ、と七瀬は宙を見ている。 「石川さんのタネは、すっごい苦いの。やっぱり悪度が高いせいだね」 「……」 「それから、ペニスにイボイボがあるんだ。あれで摺られたら、たまんなく」 「もういい」  丈士は、七瀬の言葉を途中で遮った。 「とにかく、石川さんに迷惑はかけてないんだろうな?」 「う、うん」  俺は、もう寝る。  丈士は七瀬を置いて、さっさと寝室へ入ってしまった。 「何だよぅ。丈士さんが、石川さんと遊べ、って言ったのに」  七瀬はそっと寝室へ入り、パジャマに着替えた。  向こうを向いて横になっている丈士の隣に、身を滑り込ませた。 「ねぇ、もしかして、怒ってる?」 「……」 「眠っちゃったの?」  返事が、ない。 「でもね、丈士さんとのエッチの方が、僕は好きだよ」  七瀬の言葉は、丈士に届いただろうか。  ちょっぴりブルーな気分で、七瀬は丈士の背中にすがって眠った。

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