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第六章・9

「ん……?」  深夜、七瀬は目を覚ました。  身体を弄られる気配を、感じる。 「ちょ、何? 丈士さん、何?」 「七瀬。七瀬……ッ」  丈士が、七瀬の小さな乳首を夢中で吸っている。 「丈士さん、ヤるならそう言って。ひぁうッ!」  ずぐりと、何の前振りも無く丈士は七瀬を貫いてきた。 「う、うぅ、んッ。は、あ、あぁ、んんッ!」  ぎちぎちと奥まで挿れられ、七瀬は背を反らせた。 「はぁ、はぁ、七瀬ッ!」 「じょ、丈士さん?」  まるで憑かれたように、腰を穿ってくる丈士だ。 「ん、あぁう。ふっ、んぅ、うぅ!」 「七瀬、俺は……。俺は」 「丈士さん、何かあったんだね? そうだね?」 「……ッく!」 「あ、んんぁ! こ、こんなに……ッ!」  こんなに、早く。  こんなに、いっぱい。 (あ、でも……)  今夜の丈士さんのタネからは、悪の味があんまりしない。 (石川さんに会ったのに? 悪いお金、いっぱい貰ったのに?)  七瀬の体内に精を吐いた丈士は、気を失うようにくずおれた。  七瀬は、ただ彼の背中に手を回し、なだめるように撫でていた。

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