71 / 75

第九章・6

「じゃあ、エッチも初めてだよな。いいの?」 「丈士さんなら、いいよ」  丈士が愛撫を始めると、七瀬は身体をこわばらせて唇を薄く開けていた。  あんなに性に奔放だった七瀬が、乳首を吸っただけで身をよじって喘いでいる。 「途中で嫌になったら、遠慮なく言って」 「う、うん。あ、あぁ……んッ」  全身を撫でさすり、慈しむようにキスを落とした。  性器をやんわりと扱き、七瀬の快感を促した。  いつも自分さえ気持ち悦ければよかった丈士の、劇的な変化だった。 「大丈夫?」 「う、ん。平気。あぁ、気持ち、悦い……」  七瀬の先端からとろりと体液がこぼれた頃を見計らって、丈士は彼の蕾に指を当ててみた。  そこは固く閉じ、あの独特の体液を分泌してはいなかった。 (七瀬、ホントに悪魔じゃなくなったんだな)  七瀬は、人間になったんだ。  丈士はローションを指に絡めると、じっくり彼の秘所を解していった。

ともだちにシェアしよう!