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変な人×ヤンデレ?

君のために1年かけて集めた僕の爪で指輪を作ったんだけど、気に入ってくれるだろうか? 流石にリング部分は爪では出来てないけど、真ん中の黒く光る宝石は僕の爪で作ったんだ。 受け取ってくれると嬉しいな。 付き合って3年の記念日に間に合うように作った自作の指輪 真ん中の黒い宝石は爪で作ったものだ。言わなきゃ多分気づかないだろう。それだけ上出来なのだ。 3年前、高校卒業時に2度と会うことがないと思い高校3年間ずっと思いを寄せていた人物に告白した。 「あの、えっと…その、す、…す………ぅ、えっと…す、すすすすすすっ」 「大丈夫?」 どもる僕にも優しい彼。 「は、ひっ、じゃなくて、はいっ」 「ゆっくりでいいよ」 ゆっくりでいいと彼の大切な時間を僕にくれた。 「あ、えっと、僕…その、山内君のことが…き、ききききもちわるいかもだけど!ぼぼぼぼく!やややややや山内君の事、好きだったんだっっっっ」 ややややった言えたぁああ 「そうだったの?俺、てっきり楠見君には嫌われてるのかなって思ってたんだ。 だって、目があってもすぐに逸らされたし…」 「そ、それは…」 恥ずかしかったからで… 「でも良かったぁ。嫌われてなくて!じゃぁ、これから、仲良くなろうね!」 「え」 え?え?え?嘘。嘘嘘嘘嘘嘘嘘っ 仲良く??? 「連絡先交換しようか」 連絡先?交換? てことは、もしかしてokて事? 「ほんと?僕なんかでもいいの?」 「?うん。楠見君の事、俺も気になってたから」 ー俺も気になってたからー 両片思いだったなんて!!!!! それから、山内君と連絡先を交換して駅まで一緒に帰った。 あれから3年。 今も山内君とは仲良くしてます。 ただ、少し不満があるとすれば 実はまだ、キスもそれ以上もした事がないという事だ。そもそも手を繋いだことも無い。 けど、もう付き合って3年だ! 僕だって、そろそろキスはしてみたいに決まってる 今日は付き合って3年目の記念日なのだ、いつもは食べに行くだけでプレゼントとか、サプライズは無いのだが今回は自作の指輪を用意してみた。 気に入ってくれるだろうか。 サイズは大丈夫だろうか。 約束の場所まで行くと山内君の姿が見えた 「山内君っ」 「ん?あ、楠見君!」 爽やかな笑顔で僕を出迎えてくれる彼 そして、その隣に知らない長身の女性がいた。 僕ら3人以外周りには誰もおらず、変に静かな空間だった 「山内君…その人は?」 「あぁ、そのね…実は、今日 楠見君に紹介しようと思ってね。 ごめんね、何も言わずに連れて来たりして 彼女は半年前から付き合ってる 俺の 恋人 だよ」 え? は? 恋人? 「ま、待って…恋人?」 「はじめまして、立花りおです」 女性にしては少し低い声だった。 「え?待って、山内君。 山内君と付き合ってるのって僕だよね? え?じゃぁ、何?浮気?」 「は?え、っと…俺と楠見君って友達だよね?」 とも、だち? 「違うっ!違う違う違う違う違う違うっ! 僕と山内君は恋人なんだっ! こんな女なんかいらないっ! あっ、そうだ!ねぇ、山内君!見てっ 今日ね、山内君と付き合って3年だからプレゼント用意したんだ。見て、指輪だよ。 これね、僕の爪で作ったんだよ?どうかな?気に入ってくれた?」 「え?は?ちょ、気持ち悪いんだけど」 と、顔を歪める彼 と同時に僕の手にあったケースに入れていた指輪を山内君の連れてきた女が奪った 「マコト君の爪、爪…マコト君の…爪爪爪爪爪爪爪爪爪爪…ふはっ」 さっき聞いた声より低い声が、その女の口から聞こえた。 「りお?」 山内君が女の行動を不思議に思い声をかけるが女はなんの反応もせずただ指輪を見つめていた 「マコト君の爪…いいなぁ、いいないいないいな…でも、これはいらねぇや…りおのためのもんじゃねーもん…新しいの欲しいなぁ…新しいのがいいなぁ…今度はりおのためだけのものがいいなぁ…けど、勿体無いなぁ…コレ…どうしようか。」 何?何なの?! 「返して!それは山内君のために作ったんだ!お前のじゃないっっっ」 「あー…すっげー…目の前にマコト君がいる…しかもりおに話しかけてるとかwやばっ ちょー好き。可愛い。あり得ない、夢かよこれ」 ブツブツと独り言を喋りだす奇妙な女…女?なのだろうか?一人称が俺だし、声がさっきよりさらに低く、男っぽい 「りお?何言ってんだ?」 「あんさー…前から思ってだんだけどりおの事、名前で呼ぶなよ。気持ち悪い。無理。りおの名前読んでいいのマコト君だけだし…だよね?マコト君!」 男らしい声とは裏腹に、可愛らしい笑顔を向けてくる 「はあ?お前のことなんか知らないし!それより指輪返して!!」 「えーヤダよぉ。マコト君の爪で作ってる指輪だよ?こんな奴に渡すなんて勿体ないじゃん。」 パクッと手に持っていた指輪を口に入れゴクリっと喉を鳴らした 「あぁぁぁぁぁぁあああっ」 「あはっ、マコト君の爪食べちゃった」 うっとりとした微笑みを浮かばす立花りおにイラつきが沸く 「返せ!返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せぇぇえ!」 立花りおに飛びかかり、口を開かせ手を入れようとしたが、そいつの手に掴まれ阻止された 「何だよお前ら…キモいんだけど…もう無理っ!!!」 そう言って山内君はその場から走って逃げ出してしまった 「山内君っっっ」 どうしよ、どうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよ!? 「追いかけなきゃ」 「はあ?何?りおが目の前にいるのに他の奴が気になんの?りおの方が大切でしょう?大事でしょ?だってマコト君はりおが好きだもんね!」 目の前の奴が何言っているのかわからない。 もう指輪はいいや…また作ればいいんだ。 山内君の為に。 「帰る」 「送るよ?」 ヤツを無視して家に帰る為、そいつに背を向けたのだった ーーーーーーーーーーーー りおside準備中。 爪の指輪の製作動画を見て描きたくなったものです。

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