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第8話
少しの逡巡の後、司はスキンの袋を破り、正平のそれに被せた。そして、潤滑油を垂らした手で、腰に巻いていたバスタオルを広げ、ゆっくりとそこに触れる。はしたなくも求めるその孔の疼きを沈めるように、人差し指を埋めていく。
「ん」
本来の用途とは異なるとはいえ、指一本程度で、驚くようなことはない。円を描くように動かし、少しずつ解していく。ひとりでに濡れることはないそこが渇いてしまわぬよう、潤滑油を継ぎ足すことを忘れない。
「ああ……」
抜き差しの動きに、じんわりと熱が増していく。それに呼応するように、足りないと貪欲なそこは指を締め付ける。緩やかに、それでいて、確実に内側はもっと質量のあるものうを受け入れる準備を整えている。二本、三本と指を増やした。初めのうちは、異物感を訴えていたそこも、やがて、はしたない音を立て始める。排泄孔が、性器へと変貌したことを、自覚させられ、司の顔が熱くなる。
ええい、ここまで来て及び腰になる馬鹿がどこにいると、己に活を入れ、司は男に股がり、バスタオルをめくると、先程までの一人遊びですっかりと昂った己の陰茎が目に入るが、それには気づかぬふりをし、自身のそれより明らかに大きな滾りを、後孔をあてがう。
「ふ……」
毎度のことながら、先端を突きつけられた時は、その質量に身が引けてしまう。今日に限って言えば、自ら押し付けているような状況だというのに、それでもわずかな躊躇いがある。
ここまで来て、逃げてしまっては男が廃る。司は半ばヤケになりながら、ゆっくりと腰を落としていく。
「ん、ん」
いくら慣らしたとはいえ、本来の機能とは異なる使い方に、身体は悲鳴を上げる。
求めてやまないはずなのに、異物感を訴える身体が虚しい。現にバスタオルからちらりと除く己のそれはすっかりと萎えてしまっている。だが、それもほんの少しの間のこと。一番太い部分をこの身に収めてしまえば、あとは……。
「ああ、ああ……あっ」
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