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 靖満に教えてもらった連絡先に予定を伺うメールを送ると、連絡したこと自体への礼の言葉が返ってきてリーネは戸惑った。  ご馳走してもらうのはこちら側なのに、何故礼を言われるのかわからず、かといってその理由を訊くための言葉も浮かばなかった。  待ち合わせの時間と場所を提案されて、本当にまた会ってもらえるのだと思うと胸が高鳴った。人間は淫魔と違ってセックスをしなくても生きることに支障はないし、会っても抱いてもらえるとは限らないと自分に言い聞かせようとしても、靖満と交わった記憶が蘇らないはずはなくて、リーネは一人でもじもじと膝を擦り合わせてしまう。身体が勝手に熱を持って、靖満を受け入れた場所が己の体液で満ちる感覚は、甘くもあり切なくもあった。  靖満との約束を思って落ち着かないリーネを見て、アルルは楽しそうに笑いながら抱きついてきた。 「リーネ、今からそんなにえっちな顔しちゃって、そんなに靖満サン美味しかったんだ?」 「えっえっ……そりゃ、だって……」 「初めての人間がみーんな美味しいわけじゃないからね? 好き嫌いもあるしさ」 「そ、それはわかってるけど……」  くすくす、とアルルは笑って、リーネの唇を指先でつついた。 「リーネの初めてのご馳走がリーネ好みだったの、嬉しいな。ね、えっちはどれくらい気持ちよかった?」 「ど、どれくらいって」 「だっていくら精子が美味しくっても、えっちがよくなかったら味気ないじゃん? せっかくお尻に出してもらうんなら、お尻だけでイッちゃうくらい気持ちよくなって奥にビュッビュッて出されたいなぁ」  アルルの言葉に、リーネは靖満に突かれる快感を反芻してしまう。空腹と期待でぐしょぐしょに濡れていた場所を、硬くて熱いもので激しく責め立てられたことを思い出して、顔が赤くなるのが自分でもわかった。 「えっ、なになに? そんなに恥ずかしいことされちゃったの?」 「ち、違……ただちょっと激しかっただけで……」 「ふうん? 痛かったりとかはなかった? ちゃんと気持ちよかった?」  顔が火照るのが恥ずかしくてうつむくのに、アルルはリーネの顔を覗き込んできた。この友人はリーネを暴きたがるところがあって、しかしその強引さをリーネは嫌いになれなかった。リーネはいつも心のどこかで彼をうらやましいとも感じてしまうのだ。 「す……すごく気持ちよかったよ……。わけわかんなくなっちゃうくらい……」  小さな声でそう言うと、アルルは大きな目をいっそう丸くしてリーネを見つめてきた。 「そんなに? やっだ、リーネ、実はめちゃくちゃ男見る目あったんじゃん?」 「そんなのわかんないってば」  困ってつっけんどんな声が出たが、アルルは気にした様子もなく、ふふふ、と笑った。 「リーネ、靖満サンのことしっかり捕まえなね。だいじょぶ、いっぱいえっちすればリーネのこと忘れらんなくなっちゃうよ。リーネのお尻に生でハメる気持ちよさに逆らえるはずないもん」  成熟した淫魔らしい色香をにじませながら、アルルはリーネの顎を撫でる。その確信を半分でも分けてほしい、と思いながら、リーネは呟いた。 「……靖満さん、ちゃんとまた俺にその気になってくれるかな」 「会ってくれるってことはもうその気ってことだよ。向こうから迫ってこなくても、おちんちん触ってあげながらおねだりしたら楽勝だよ」 「お、おねだりって」 「そのまんまリーネが欲しいこと言えばいいだけ。おちんちんお尻の穴に挿れて中に精子出してって。特にリーネみたいな慣れてない子に言われたら男なんて簡単なんだから」  先輩であるアルルの助言に対して、どこまで真に受けていいのかわからずリーネは戸惑う。  その気持ちが顔に出ていたのだろう、アルルは微笑んでリーネの頭を撫でてきた。 「だいじょーぶ、僕の言ったことなんて忘れちゃっても、リーネは可愛いから。それにリーネのお尻はすっごくえっちだしほんとに気持ちいいんだよ? 僕がリーネに食べさせてあげるのイヤじゃなかったのは、リーネが名器なせいもあるんだから」 「……そうなの?」 「そうだよ。いつも言ってたでしょ? リーネのお尻気持ちいいって。濡れやすくって、しゃぶりついてきて、最高なんだから」  アルルの言葉に、もじ、と腰を揺らしたリーネに、アルルは甘い笑みを向けてきた。 「お腹が空いたらまた僕が食べさせてあげるけど、今は平気でしょ? その分靖満サンのを期待して、たくさんえっちな気持ちになって会いに行ったら、靖満サンもそれだけ興奮してくれるよ」  欲望をあおってくるアルルの言葉に、リーネは黙って小さく頷いた。

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