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「あ、え、と、俺……そんな、ケンカとかしたことあんまりないから……よくわかんないです……」
靖満に対して、わからないとばかり言っていて申し訳ない、と思いながら、リーネはまたその言葉を繰り返した。靖満は瞬いてリーネを見つめ、頬に手を当ててくる。
「まじで? 友達ともケンカしなかった?」
「アルルにはよく叱られたけど……ケンカはしてないと思います……」
まじまじと見つめられて居心地が悪かったが、逃げるのは気が引けて、リーネは目を泳がせる。やがて靖満が長く息を吐くのが聞こえた。
「りいねはほんと優しいなあ……」
噛み締めるような声で言われて、再び抱き寄せられて、リーネは戸惑う。優しいと言うなら靖満の方だと思ったし、自分はただ気が弱いだけだと感じていた。
「りいね」
耳に息と声を吹き込まれて、リーネは思わず靖満の袖をつかむ。靖満の存在を感じさせる何もかもが、リーネには甘く痺れるような刺激になり得た。
「俺も……りいねに八つ当たりしたり冷たくしないように頑張るから……。勝手に出て行かないでね……」
「お、俺、ちゃんと家にいるって言ったじゃないですか……」
「うん……りいねにたくさんご馳走食べさせてあげられるように、身体にも気を付けるから……」
ご馳走、という言葉の響きに、リーネは条件反射のように下腹の辺りが熱くなるのを感じてしまう。自然と靖満の精の味を思い出してしまうのは、もうどうしようもなかった。
リーネの身体の変化は当然すぐに靖満にも知れて、耳元でくす、と小さく笑われた。
「りいね、やっぱりご飯は毎日ほしいの?」
楽しげな、甘い声で問いかけられて、リーネは小さく頷く。もう嘘をついても無駄だと思った。
「淫魔ってほんとえっちだね……すぐやらしい気分になって、すぐ濡れて、すぐちんこ欲しがっちゃうとか、すごいえっち……」
靖満に腰を撫でられて、リーネは震えながら靖満にしがみつく。今にも蜜が漏れ出して下着を濡らしてしまいそうだった。
「……りいねの大事なご飯だから、俺、昨日から抜いてなくてさ……。ぶっちゃけもう出したくてたまんないんだけど、どうしたらいい? ベッド行く?」
ちゅ、と首筋に唇を当てられて、リーネは身体の熱さに耐え切れずに上ずる声を紡いだ。
「ば、場所とか、そんなの、どうでもいいです……靖満さんがちんちん挿れてくれるなら、俺どこだっていい……っ」
服越しに靖満のペニスの硬さを感じて、リーネはもう我慢などできなかった。靖満が欲情してくれているのだと思うと、胸が幸福感でいっぱいになって、そしてその精が欲しくて理性はたやすく剥がれ落ちた。
「りいね……そんなん言われたら、俺優しくできないじゃん……。ここでりいねのパンツ脱がせて、ちんこ突っ込んでもいいわけ?」
こくこく、と必死になって頷くと、靖満は音を立てて唾を飲んで、リーネの服に手をかけた。はやく、と急かしたいのを耐えながら、靖満の手に下着を引き下ろされて、それだけで蜜をこぼす己の身体が恥ずかしかった。
羞恥は消えないのに靖満のことはどうしても欲しくて、その首に腕を回すと、唇を塞がれながら背中を壁に押し付けられた。靖満の力強さや熱さを感じる度に、まるで自分が食べられてしまうような錯覚を覚える。そして、靖満になら食べられてもいいと思ってしまうのだ。
──俺も、靖満さんの一部になりたい……。
酸欠になりそうな頭でそんなことを思った直後に、片脚を抱え上げられてリーネは短く声を上げた。怖いのか、恥ずかしいのか、自分でも自分の感情を捉えられなかったが、下腹に靖満の熱いペニスが押し当てられて、それを欲する気持ちがすべてに勝った。
「や、靖満さん、おねがい、中にください……」
昂りのあまり泣きそうになりながらそう言うと、奥の濡れそぼった場所にペニスをあてがわれて、リーネは身を震わせた。望んだものを与えてもらえることが嬉しくて、靖満の興奮が伝わってくることがたまらなく胸を満たした。
「あっあっ……あああぁん!」
靖満のそれはあっさりと奥まで突き挿されて、リーネは靖満にすがりついて快感に耐える。硬くて大きな塊がリーネの中でまるでうごめくように感じられて、甘えるような声が漏れるのをこらえられなかった。
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