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第2話
それから間もなくして星依と彼方は
付き合い始めた。
お互い男が好きという訳ではなかったが
二人は自然と惹かれあった。
星依の方は年の離れた姉が同性愛者で
女性と付き合っているということもあって、
同性と付き合うということにそれほど
抵抗もなかった。
問題は、そこではなかった。
「星依!みてみてほら!!」
夜空を指差してこちらを振り向く彼方。
そう、問題は彼のこの無類の星好きだ。
デートはもっぱら天体観測。
家デートでは天体についての本などを
広げ星依にひたすら星の良さを熱弁してくる。
最初に星が好きだと嘘をついた俺も悪いけど
こうもずっと星の話ばかりされてると
さすがにうんざりしてくる。
星依はそんな風に思い始めていた。
彼の、この、一つの物事に対する集中力は
尊敬するが、ちょっと度が過ぎる。
そして、もしかして彼方は
俺が欲しかったんじゃなくて、単純に
星好きな仲間が欲しかったんじゃないか?と
そんな不安も募っていた。
そして、今日は12月25日。
クリスマスだ。
クリスマスにまで天体観測に行こうと言い出す
彼方は本当に星しか見えていないようで。
「星依!星依ってば!見てよあれ!
すっごい綺麗!!!」
「・・・なあ彼方。」
「星依!ちょっと見てるの?!
ほらほら早くしないと雲に隠れちゃ
「彼方っ!!!」
突然大声をあげた星依に彼方は
びくっとして押し黙る。
「・・・星依?どうかした?」
「・・・・・・」
「あ、寒かったかな?
ごめんね気づかなくて!💦」
そう言って自分のマフラーを星依の首に
巻き付ける彼方。
違う。
違うのに。
俺が欲しいのは星の知識でもマフラーでも
ない。
俺が欲しいのはっー・・・・・・
「っ・・・!!」
「ちょ、星依?!どこ行くの?!」
夜闇の中彼方から逃げ出した星依は
「天体観測イベントがあるんだ!」と
彼方に連れてこられただけで
ここがどこかなんてわからなかったが
とりあえずデタラメに走った。
身体に受ける風が冷たい。
寒い。
なんで。
どうして。
俺は、俺はもっとー・・・
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