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第3話
「どうしたの星依っ・・・?!」
突然走り出した恋人に彼方は慌てていた。
追いかけたがこの暗闇、すぐ見失ってしまった。
少し前から星依の様子がおかしいことは
気づいていた。
天体観測なのに空じゃなく自分のことばかり
見ているし、全然楽しそうじゃない。
星のことが分からないからつまらないのかと
思い一生懸命分かりやすいように考えながら
説明しても星依の機嫌は悪くなる一方だった。
「星依・・・どうしたの。
言ってくれなきゃ分からないよ・・・」
足元に視線を落として小さく呟く。
ああ、そういえばまえにもこんなことが
あったなあ、と彼方は思い出していた。
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