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第41話

「じゃあなに、ひとりでこんなとこにいるってことは、彼女へのクリスマスプレゼントでも探しに来た?」  ずばり言い当てられて、祐樹は黙り込んだ。そんな祐樹を見て、本多はますます楽しげな顔をする。 「え、まじでそうなの。あー、そうかあ。初めての彼女だもんな。いいねー、楽しいだろ」  否定もできず、祐樹はあいまいに笑った。いえいえ、楽しいというよりなんだか大変なんです。  女子大生が欲しがるものなんて、祐樹にはさっぱり思いつかない。  1時間ほどあちこちのショップを覗いたけれど、綾乃が喜びそうなものが何なのか、まったくわからなくてため息をつきたい気分だった。  兄に相談しようものなら、どんなからかいやいたずらを仕掛けられるかわかったものではないので、とりあえずひとりで来たのだが、女子の流行に詳しい河野あたりを連れてくるべきだったかもしれないと、かるく途方に暮れていたところで本多に会ったのだ。 「まあ、そうですね。おれのことより本多先輩は? ひとりで買い物ですか?」 「ん、いや。この後、友達と合流してコンパ。クリスマスまでに彼女を作りたいって奴らのセッティング」  コンパの幹事を頼まれたらしい。その口ぶりだと本多には彼女がいるようだ。 「女子大生って、どんなものをもらったら喜びますか?」  たぶんもてるだろうし、大学生の本多ならいいアイディアを持っているかもしれないと訊いてみた。 「彼女へのプレゼント? そりゃアクセサリーとかクリプレの定番だろうけど。つき合ってどんくらいなの?」 「夏からだから、5か月目」 「へえ、まあまあ経ってんな。…下世話なこと、聞いていい?」 「してません」  質問を先取りして答えると、本多が爆笑した。 「あー、素直なお答えありがとう。…ならアクセサリーじゃないほうがいいか? 予算の都合もあるだろうし、安っぽいアクセ贈るより…、んー、ファッション時計とかは? 流行りだし手ごろだし、いろんなデザインあるから。なんなら彼女と一緒に見に来るのもありかもよ」  意外とまじめに答えてもらえて、祐樹がびっくりした顔になる。本多はくすりと笑った。

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