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第77話

「どうする? やめておくか?」  緊張で体を固くした祐樹に、笑いのにじむ声で大澤は問いかけた。どちらでもいいと選択権をくれている。追いつめられることのないそれを聞いて祐樹はこころを決めた。  信頼して身を任せられる相手なんてそういない。自分のなかで大きくなっていく一方の違和感をこれ以上見ないふりをするのは無理だとわかっていた。  それなら大澤の手を取ってみよう。そう決めて、顔を上げた。 「…知りたい、です」 「そうか。シャワー浴びるか?」 「あ、はい」 「じゃあ俺が先に浴びるから交代な。ユニットで風呂狭いから」  ひとり残されたこたつで、祐樹はおでこを天板につけて悶絶した。  うわあ、どうしよう、というのが正直な気持ちだった。ていうか大澤先輩とセックスって……マジですんの? 熱出そう。  逃げ出したいような気持ちで待っていると大澤に呼ばれ、どこを洗っているのかもよくわからない状態で、とにかくシャワーをすませた。  湯船につかってもいないのにのぼせそうだ。  シャワーを浴び終えると、今度は何を着るべきかで迷う。え、ここはやっぱバスタオルだけ? パンツは履くの? それとも服を着ておくべき?   現実逃避したいがための混乱は、大澤が乱入したことで終わった。 「ほら、服なんて着なくていいからこっち来い」

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