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第80話

「どうしよう…」 「なにが?」 「おれ、めちゃくちゃ興奮してる」 「俺もだ。お前、すごくかわいいな。入れていいか? それとも触りあって終わりにするか?」 「最後までしたいです」  きっぱり答えると、うつぶせに体勢を変えられた。たぶんいちばん受け入れやすい体勢なんだろう。顔が見えなくて幸いだけど、大澤の熱を押しあてられると体がすくむ。 「だいじょうぶだから、ゆっくり息吐いてろ」  ぐっと圧がかかって、でも逃げ場もなく体が拓かれる。大澤は急がなかった。祐樹の反応を見ながらローションを足して、じりじりと体を繋いでいく。  大澤がだれかとこんなことをしてたのか、と思うとなんだかふしぎな気分だった。 知らないあいだにみんないろんな経験をしてるんだなとみょうに冷静な頭のどこかで思う。 「せんぱ、い。もう…むり…っ」  押し開かれていく感覚が怖くなって音を上げたが、なだめるようなキスを背中にいくつも落とされて、いけるからと耳元でささやかれる。  まえに回ってきた手で性器も扱かれて、快感も苦痛もいっしょくたになって混乱する。自分の体がどうなっているのかわからない。  枕に必死にしがみついていると、背中に大澤の荒い息遣いを感じた。 大澤も興奮してるのかと思うと、体のおくがじんじんとしびれた。 「あ、ふっ…ん、ああっ…も、っや」 「ん、もうすこし、我慢しろ」  何度か小刻みに挿れて戻してを繰り返して、祐樹が浅く呼吸するのに合わせてゆっくり進み、いつの間にか深いところまで受け入れさせられていた。  大澤が尾てい骨のつけ根まで背筋をすうっと指でたどる。 「ほら、いけただろ」 「…入った、の?」 「ああ、気持ちいいな」  そういわれて、ふしぎに心が高揚した。  自分の体で相手が快感を得ているということが、祐樹に喜びをもたらした。

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