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青沼くんは甘い顔してていつも笑顔で明るい人。
肉食系の女の子たちに翻弄されて女性不信になってたから、男は男のカラダ知りつくしてるから気持ちいいよって言って誘った。
青沼くんは攻められるのが好き。
騎乗位とか、バックしたときに俺が動くほうが好き。
俺が優位。
寝バックで後ろから抱かれてるときに玄関のチャイムが鳴った。
セックスしててはじめて、こわいと思った。
青沼くんが部屋に入れたそいつは手にしたスマホから目を離さず、ベッドでハダカの俺の近くに腰かける。
「電源貸して。十一時までイベントやってるから今手が離せない」
……こいつもまぜて三人でする気?
無理、目がこわい、なにしてくるかわかんない。
「俺人見知りだから知らない人とすんのはムリだよ」
三人ではできないとは言わなかった。
相手が無茶してきたら困る。
「どこが人見知りなの。妃くんより社交的な人、僕知らないよ」
ニコニコしてる青沼くんがゴキゲンなのかどす黒いのかわかんない。
「なんで真呼ばないんだよ。俺、真としたかったんだけど」
真を巻き込んだら悪いと思うよりも、もう嫌われてもいいから、今だけは助けてほしかった。
こわかった。
「ねえ、青沼くんと真いればその人も一緒でいいから。真呼んでいい?」
真に電話したけど、出なかった。
もう一人がまだゲームしてたから、青沼くんをじらしていかせて、俺もう一回いきたい、青沼くんがいかせてよってねだった。
真から折り返し電話が来て、誘った。
知らないヤツの背中見ながらいけるわけない。
気持ちいいフリしてるうちに、真は来てくれた。
真は青沼くんのところから俺を連れ出してくれた。
バイクでここまで来てくれて。
帰ろうとしてメットを差し出されけど、受け取れなかった。
真来たときハダカだったし、髪もまだ汗ばんでるし、ヤったのわかってるよね。
洗ったの手だけ、シャワー浴びてない。
服の下には俺と青沼くんの汗と唾液と精液が残ってる。
口にも顔にも残ってる。
俺の中身と同じだ。
外ヅラはよくしてるけど、本当は醜くて淫乱。
こんなカラダじゃ真のものにさわるどころか、真に近づくのもダメだろ。
きたならしい。
真を近づけちゃいけない。
真までよごれてしまう。
なのに真は、気にしないって言った。
バイクの後ろに乗れって。
「軽くでいいから俺の腰つかんで、曲がるときに一緒にかたむいて。いやじゃなかったら乗ってよ、気分晴れるかも知れない」
本気でさわってもいいとか言うの?
まず最初に怒るトコじゃないの?
注意したのになにやってんだよって。
安全な場所に来たら、痛い目見たほうがよかったと思う。
道を踏み外したはずなのに、そこに新しい道ができてるみたいな。
俺、そんな道作ってもらう価値、ない。
けど、ホントに気にしてないみたいだから、
乗ってって言うから、
真のお願いを聞いた。
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