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真に家まで送ってもらって、すぐにシャワーをあびた。
内面はいまさらどうにもならないから、物理的にだけでもヨゴレを削ぎ落とす。
真をリビングで待たせてある。
なにを言えばいい?
ありがとう?
ごめんなさい?
本音を言うなら、助けて。
「なんであいつのトコに行っちゃったの」
やっと真は聞いて当然のことを聞いてきた。
「したかったから」
ホントにそれだけ。
青沼くんのこと好きじゃないし信じてもいない。
青沼くんはなにかしようとしてたんだから、甘んじてされに行ったも同然。
今がとてつもなく苦しくて、身動き取れなくて、青沼くんとする以外に選択肢がなかった。
「妃賢いから、こんな失敗しないと思った」
そうだよね。
クズ野郎にからまれても、俺は余裕でかわせる。
だけど。
「こっち関係は俺、失敗しかしてないから。賢一のこともだしさ」
色恋の部分だけ、クソすぎる。
そこ一箇所だけで、俺は最低最悪な人間になっちゃってる。
もったいないね。
直せないのかって、直せないよ。
よりによってたった一人の好きな人に、悪い部分が全部リアルにバレるとか、因果応報にもほどがある。
賢一のときと同じでもう、修正がきかない。
優しい真はなんて言う?
淫乱でも友達するぶんには問題ないって、このことには目をつぶってくれる?
変なことに巻き込んだけど、幸い真を傷つけることはしてなくない、俺?
少し期待して真を見ると、思いつめたような顔した真が、ぽつりと言った。
「妃、俺がその、抱いてもいいか?」
最善解とまったく違う方向の言葉。
頭が追いつかない。
「俺、妃好きだから、また妃がこういう目にあったりするのはイヤだから。遊びでするなら俺じゃダメか?」
ここまで来て好きってなに?
どこが。
ああ、俺のどこが好きかって、真、ちゃんと言ってたな。
──子どものために手描きで紙芝居作るヤツのこと、嫌いにはならない。
俺にそういう部分があれば、真は俺を嫌いにならないの?
俺、絵を描くの、好きだよ。
無邪気な子どもとワイワイ遊ぶのも楽しい。
この世に一つしかない紙芝居を子どもたちが家族と一緒に見てくれるの、嬉しいんだよ。
俺の未来は見えないけど、そこでは他人のだけど未来が見える。
子どもたちの感受性とか家族の絆育てるの手伝ってる。
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