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不器用な初恋のその後16

「私が触れるのは、嫌…ですか…?」 「良すぎるから困るというか、…なら、一緒にするか」  一緒に?  どういうことかわからず首を傾げると、ベッドに横になった天王寺に、頭をこっち足をこっちと誘導され、とった己の体勢に、ましろは真っ赤になった。 「っ……これ、恥ずかしい……です、」 「お互い様だろ?」  お前がしたいって言ったんだぞと、そう言われれば、何も反論できなかった。  天王寺の頭を跨ぐようにしてベッドに膝をつき、シーツの上に手をついたましろの眼下には、天王寺の下半身がある。  なんとなく意図は察したものの、無防備にさらしている背後のことが気になっていると、ましろの尻を掴んだ両手が、そこを割り開いた。  吐息がかかると何をされるのかわかって、ましろは振り返り、懇願する。 「あん、待って、それ、だめ…です…っ、ひゃ、」  待ってと言ったのに、ぐっと舌を捩じ込まれた。  まだ固い蕾をぐちぐちと舐られる異様な感触にも性感を覚え、ましろは背を反らせて首を振る。 「んっ……、お前はどこもかしこも綺麗だな」 「あっ、あ……っ、やぁ、」  そのまま快楽に身を委ねそうになって、はっとする。  折角機会をもらえたのだから、自分もしなくては。  目の前にある天王寺のものを、気を抜くと力の抜けてしまいそうな両手で包み、ちろ、と舐めてみた。  すると怒張したそこがビクンと反応したので、驚いて手を離してしまったが、静止の声はない。  続けていいということなのだろうと判断して、持ち直し、もう少し大胆に舌を絡めた。  ぺろぺろと猫のように舐めてから、以前天王寺にしてもらったように口に含んでみる。  ましろのあまり大きくない口にはとても全ては入らなくて、それでももっと天王寺に気持ちよくなってもらいたいと、一生懸命吸い付いた。 「ちー様の……んっ、大きい、です」  苦しくなると一旦口から離し、浮き出た血管に舌を這わせ、先端の蜜を舐めとり、再び口に含む。  口の中がいっぱいなのが苦しいのに心地よくて、不思議だった。 「…っましろ、」  背後から聞こえるかすれた声が、ましろに快楽を伝える。  嬉しくなり、もっとしようと思ったのだが。 「ん……、っん!っふぁ…!」  舌でほぐされていたそこに指を差しこまれて、天王寺を口から離してしまった。 「あっ、ち、ちぃさま、だめ、そこは…っ、」  腹側の膨らんだ場所をぐりぐりと捏ねられると、びくびく腰が揺れる。  そこをされると気持ちがよくて、何も考えられなくなってしまうのに。 「ひ、んや、あっあっ、あぁ…っ!」  天王寺の指は止まることはなく、ましろは我慢できずにびくんと体を強張らせ、再び達していた。 「ふぁ…」  出してしまうと弛緩して、天王寺の上に突っ伏した。  しかし、ぐったりしている場合ではない。自分も天王寺を最後まで…と息を整えていると、天王寺はましろの足の間をくぐるようにして背後から体を起こす。  突然眼下から天王寺の身体が消えた状況を把握できずにいると、へたった腰を持ち上げられ、その下には枕を押し込まれた。  枕が汚れる、と思ったが、それを伝える前に後ろに天王寺のものを押し付けられ、ドキリと鼓動が跳ねた。 「あ……っ!」  ぐっと腰を入れられると、隘路を拓かれる衝撃と喜びで、ましろの身体はふるふる震える。 「ぁ、ちーさまの入っ、て」 「っ…きついな…、ましろ、痛みはないか」  平気だと、首を振り、でも、と付け足す。 「ちー様になら、痛くされても嬉しいです」 「ましろ」  堪えきれないというように、性急に揺すられて高い声が出た。  奥を突かれると、内部が悦んで天王寺を締め付けてしまう。  細い腰を掴む手は痛いくらいで、加減を忘れるほど求められていることが嬉しかった。  いつの間にか再び勃ちあがったましろのものは、揺すられるたびに腹の下にある枕に擦れ、汚れるからいけないと思うのに、気持ちよくて自ら擦りつけるのをやめられなくなる。 「ち……さま、っは、あん、…ちぃさま、」  強い快感を持て余し、その名を呼べば、天王寺はシーツの上で泳ぐ手を握ってくれた。  背後から抱き締められると、あたたかくてほっとする。  安堵はすぐに快楽にさらわれ、何度も感じる場所を突かれて、その度にましろは甘い声を漏らした。 「あ!ぁっ、んっ…、ち、さま、ごめ、なさ、もう……っ」  切れ切れに限界を訴えると、ましろの白いうなじを食むように口付けた天王寺も「ああ、…俺も」と頷く。 「い、っしょ、に……っ、あっ、あっ!ふぁ……っ!」  震えた天王寺のものが奥を濡らし、その刺激でましろも枕とシーツを汚していた。

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