97 / 103
不器用な初恋のその後17
天王寺のものが引き抜かれると、絶頂の余韻にひくつく場所から、たっぷりと注がれたものがこぽっと零れ落ち、粘度の高い液体が肌を伝う感触にも感じて、「んっ……」と声を漏らしてしまう。
しばし放心して、くったりとベッドに身を預けていたが、天王寺はましろの肩に手をかけると、くるんとひっくり返した。
力無くされるがままに仰向けに転がれば、長い髪がシーツの上に広がり、ましろは目を瞬かせて天王寺を見上げる。
「ちー様……?」
「……今度は、お前の顔を見ながらしたい」
いいか?と確認されて、今日はもう何度も達していて本当は限界だったけれど、ましろももっと天王寺に愛して欲しい気持ちが勝って、頷いた。
抱え直した膝頭に、愛しげなキスが降る。
ぐっと身体を折られ、二度目の天王寺を受け入れた。
「あ……っ」
「お前の中は……気持ちがいいな」
「んっ…、ちー様にこうしてもらうの…、好き、です」
浅い場所で緩やかに抜き差しをされると息が乱れ、途切れ途切れになりながらも想いを伝える。
「一緒に住んだら…、毎晩でもしてやれる」
天王寺の言葉に、毎晩一緒にいられることを想像したら嬉しくなって、笑顔が溢れた。
「はい…、早く、ちー様と暮らしたいです…」
心から、一日でも早くそうなるといいと思っての言葉だったが、天王寺はぴたりと動きを止めた。
「……ちー様……?」
「そこは、…少しは危機感を覚えろ」
「え…?どうし…あ!あっ……!」
急に動きが激しくなり、会話が途切れる。
突然、肌のぶつかる音が高く響くほどに激しくなった天王寺の動きについていけず、ましろは翻弄されるばかりだ。
「あん、あっ……ち、さま、っん!なん、で、……あぁっ!」
「…っ、お前に無理をさせすぎないようにと、我慢してる俺の身にもなってくれ」
「ゃ、我慢なんてしたら…っ、嫌、です……っ。ちーさまの、好きなだけ、んんっ……!」
身体を倒した天王寺に、言葉を奪うように唇を塞がれた。
大きなものを深く受け入れたまま、キスをするのは苦しい。
それでも、欲しがられることが、体の全てで天王寺を感じられることが、嬉しくて、幸せだった。
「ふぁ、あっ、深い、です……っ」
「っは、……っここ、好きなんだな」
「っぅ、んっ……きもちい、……っ」
体感を、素直に伝える。
天王寺は嬉しそうに目元を和らげ、もっと感じさせようと思ったのか、ましろの前を探った。
だがそこは、既に三度ほど放っているせいで、力無く項垂れている。
「流石に勃たないか」
「ぁ、…ごめ…なさ、ゃ、あっ!」
苦笑に謝ったが、天王寺は柔らかいままのものを扱き、先端をぐりぐりと弄ってくる。
勃ちあがらないのにそこからねっとりと快楽が広がって、動揺したましろは意地悪な手を止めようと手を伸ばす。
「だ、め……っ、手、しないで、あん、あ!」
天王寺は、やめてくれなかった。
奥を穿たれながら弄られ続けると、びくびくとずっと絶頂しているような下腹部の痙攣が止まらなくなる。
「やあ、ち、さま……っ、待って、それ、ゃ、」
懇願しても、やめるどころか激しくされて、とうとうましろは腰を突き上げた。
「あ、あ、あーっ……」
ぷしゃっと何かが吹き上がる。
「やぁ……、ゃ、な、に……?」
射精というより排尿感に近かったように感じて、ましろは粗相してしまったのかと焦り、涙目で天王寺を見上げた。
「ち、ちーさま……、ごめんなさい……」
嫌われてしまったらどうしよう。
不安な気持ちは、だがしかしすぐに霧散した。
「ましろ……っ」
「え?あっ!あ……っ!ち、さま、…っあ、あぁっ!」
身体の奥の天王寺がびくんと跳ね、それが合図のように、天王寺が激しく腰を使う。
わけもわからず、ましろはただ声を上げるしかできなくなった。
「あ!ゃ、ちいさま、そん、なに……っ、したら、あっ」
「お前は、可愛すぎる……っ」
「あっ、あ、ちいさ……っあぁーっ……」
深くまで入り込んだ天王寺のものが最奥で爆ぜるのを感じたところで、ましろは意識を失った。
ともだちにシェアしよう!