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第9話

布団を敷くために、ちゃぶ台の上のものを片付けてから畳んで壁に立てかける。 さて、どうするか… 布団は敷いた。 薫さんの服を脱がせ、一応部屋から取ってきたパジャマがわりのスエットの上下を枕元に置く。 洋服を脱がせている間にも、俺の手が触れるたびに甘い吐息を漏らし、既に反応しかけているのが下着越しでも分かった。 このままじゃ辛いよなぁ。 でも、後から面倒事になるのも嫌だしな… 「どうしたいか本人に聞いてみるか…?」 ポケットからスマホを取り出し、動画を撮り始める。 「薫さん、薫さん!」 強めに肩を揺する。 「んー?」 「ねぇ、ここさぁ、ちょっと反応しちゃってるのわかる?」 「んっ…何?」 薫さんの目が薄く開く。 「あのね、ここ、少し反応ちゃっててさ。ここだよ、分かる?」 「あっ…ん…っもちいい…」 下着越しにさすった俺の手に腰が揺れる。 「ここさ、俺が処理してもいい?薫さんの事、俺の好きにしていい?」 「何…?」 「こんな風に気持ちいい事してあげたいなって思っているんだけど…どうする?」 今度は強めに擦る。 「あぁっ!」 腰がビクンと浮いた。 「して欲しい?それともやめる?」 擦っていた手を離す。 「やぁ!」 「やったら嫌ってこと?」 「違っ!もっとぉ!」 酔っ払っている薫さんの甘える声と顔に、こちらも少し反応しそうになる。 ごくりと喉がなりそうになるのを、我慢して、静かに唾を飲み込んだ。 「じゃあ、俺の好きにしていい?気持ちいい事、して欲しい?」 「してぇ!」 甘い声で俺を見ながらせがむ薫さんを撮りながら、これでいいか…と動画を止めようとした指を止めた。 証拠は多い方がいいよな。 スマホを壁に立てかけたちゃぶ台の上に置いて、位置を調節する。 さて…と。 準備はできた。 布団の上では薫さんが再び目を閉じ、すやすやと寝息を立てている。 こんなつもりじゃなかったんだけれどな。 髪にそっと触れ、顔をじっと見る。 元々はそんな好きなタイプの顔ではないし… ただ、食べている時からあれ?と思っていたが、一瞬見せる表情にドキッとさせられたし、感じた時の顔と声が俺を反応させるほどに色っぽい。 俺の手で、その全てを露わにしたい。 感情が昂っていく。 パートナーさんの事が頭をよぎり、心の中ですいませんと謝る。 「薫さん、気持ち良くしてあげるからね。」 そう囁くと、薫さんを隠していた最後の一枚をその体から剥ぎ取った。

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