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第10話

少しだけ想定外の事が起きた。 まだ触れるか触れないかしている間に薫さんが起きてしまった。 とは言っても、体も頭も完全にではなく、半覚醒状態という感じのようだ。 「らに、してるんですか?」 呂律の回らない喋り方にこっちは吹き出しそうになるが、本人は至って真面目だ。 「やめれくらさい!やめれっればぁ…あっ、やら…あぁっ!」 ばたつかせる手にも力は入っていないが、邪魔ではあるので仕方なく枕元のスエットで縛り上げ、太ももの間に頭を入れて真ん中にある薫さんのそれを舌で舐める。 「あっ!あぁっ!くぅっ…あぁっ!」 その刺激に聞きたかったあの甘い声を薫さんが出した。 「薫さんの声、いいね。甘くて、俺のが溶けちゃいそうだ。」 「宗也さん、やめれくらさい…やぁっ!気持ち…いいの、らめぇ!!」 「気持ちいいのはダメじゃなくてスキだよ、薫さん。ほら、好きって言って?」 「らめなのぉ…スキはらめぇ…あっ!」 舌でその先端をくすぐるように舐める。 「ひっぃや、あぁあーーーーーーー!」 頭を振って声を上げる薫さんが可愛くて、そこを刺激し続ける。 「らめぇ!やめれぇ!宗也さん、あぁ…っん!らめぇ…ってばぁあーーーーっ!」 身体が痙攣を始め、ビクビクと動き出す。 舌で刺激を与えながら、手で芯を擦り上げる。 「いや…っぁあーーーー!もっ、らめれよぉ…ううっん…っにこれ?やら!なんかやら…へん…ヘンなの来る…やぁっ!来る!来ちゃう!いやらあぁーーーーー!」 腰を浮かせ、ビクンビクンと俺の手をドロッとした白濁の粘液が汚した。 ぺろっと舐めるとかなり濃い味がする。 はぁはぁと荒い息で布団の上で目を瞑って横たわる薫さんに、それを近付ける。 すんと匂いを嗅いで薄く目を開けると、俺の手についた自身の精液に顔を真っ赤にする。 「ねぇ、こんなになるまで我慢してるの、辛くない?俺が少し楽にしてあげたいな。」 先ほどまでなら、してぇって甘えた声で答えてくれたのだろうが、覚醒がかなり進んだ今の状況では、まぁそれは無理だよな。 「なんれ…何でこんな事?」 呂律を気にしながら俺に涙目で尋ねる。 スエットを解いて腕を自由にしながら、考える。 「薫さんが辛そうだったから…かな?」 「られにでもするんですか?」 「こんなふうに手を出したのは薫さんが初めて。」 「何で?」 「薫さんが可愛くて、我慢できなかった。でも、一応はしていいかって聞いたよ?見る?」 スマホを手に取ると、証拠として撮っておいた部分を見せる。 自身の甘ったれた声や、俺に擦られて感じている姿を見た薫さんの顔が青ざめる。 「覚えて…ないし…」 「でも、一応許可は取ったよ。」 「こんなの…っ?!」 薫さんを布団に押し倒した。 「こんなのでも、許可は許可だし、俺もそろそろ限界。」 薫さんの胸に触れた俺の手を外そうと抵抗する。 「やだ…やめて下さい…」 「何で?気持ち良くなかった?」 「だからっ!気持ち良すぎて、怖かった…から…」 恥ずかしそうに目を伏せる薫さんにキスしたいと言う衝動を抑えきれず顎を掴むと、嫌がって横を向くのを無理矢理こちらに向かせて、唇を合わせた。 「やっ…あぁ…んんっんーー!」 俺の体を離そうと突っぱねていた腕から段々と力が抜け、俺の舌に翻弄されるがまま、甘くて熱い吐息が俺の耳をくすぐった。

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