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第11話
「んんっ…あっ!」
俺の舌と手が薫さんの体を這い、それに合わせて薫さんが反応する。
少しずつその意識が朦朧とし始め、理性から解き放たれていく。
「ねえ、気持ちいいのはダメって何で?」
「え?」
ふと、先程の言葉が気になって聞いてみた。
「気持ちいいのは嫌いじゃなくてダメって何で?」
「…わからな…あぁっ!」
「これもダメ?」
手が薫さんの芯を擦り、口の中で乳首を舌で刺激する。どんどん強くなっていく刺激と快楽に頭が追いつかなくなっていってるのが分かる。
「はぁあ…あっ…だっ…めっ…ああっ!」
「何でダメなの?」
「バレ…ちゃっ…だめぇ…んー…だ…めぇ…」
「バレる?誰にバレるの?」
「アニ…キ…レちゃ…っああ…ん!」
気持ち良さに、既に覚醒状態は解けて俺の首に腕を回して引っ付いてくる薫さんに、まるで尋問するかのように疑問を投げかけていく。
「何がバレたらダメなの?」
「アニキ…きなのぉ…す…っきぃ…なのぉ!」
ビクンビクンとお腹が痙攣し腕を噛もうとするのを、その腕を掴んで布団に押し付けた。
「あんた、お兄さんが…好き…なのか?!」
衝撃的な告白に、全ての動きが止まった。
「え?!…っ!?ちっ…ちがっ!!やだ!もう嫌だ!帰る!家に帰る!!」
俺の言葉に一瞬で顔が青ざめ、意識が覚醒し抵抗する体を、もう片方の手も掴んで布団に押し付けた。
「あんた、今夜は帰れねーよ…兄さんとパートナーさんは今頃、俺らよりも激しいことになっているはずだからな…っ!まさかあんた、二人にさせない為に、実家暮らしを続けているのか?!」
俺の言葉に顔を真っ赤にして体を捩り、抵抗する。
「ヤダ!アニキは俺のだ!二人がそんなことしてるなんて認めない!俺の小説の中の二人にも絶対させない!させてたまるか!!」
泣き喚く薫さんに呆然としていたが、いい小説を書いてもらいたい一ファンとして、ここはしっかりと失恋させてやらないとと言う謎の使命感が湧き出てきた。
それに…次はプロがあんたを落とすんだからな…兄さんの事なんて一瞬で忘れさせてやるよ。
俺の心の中から使命感と一緒に湧き出る薫さんへの愛しいと言う想いとお兄さんへの嫉妬を感じながら、嫌がる薫さんの両腕を片手で掴み直すと、顎を掴んで無理矢理唇を合わせた。
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