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第15話

「最っ底!」 翌朝、俺の腕の中で目覚めた薫さんが、開口一番で言い放つ。 帰ると起きあがろうとするも、すぐにオレの腕の中に戻ってきた。 「今日は動かないほうがいい。」 「っさい!」 それでもなんとかして立ち上がろうとするのをグイッと引き寄せた。 「やめてよ!」 「なあ、帰るなよ。」 「アニキをあいつと二人きりになんかさせて置けないんだ!」 涙目で、オレの腕の中でもがく薫さんをぎゅっと抱きしめた。 「あんただってもう子供じゃないんだ。心も…身体も。」 「それでも…っ!」 薫さんの言葉を奪い取るように唇を合わせて舌を絡める。 オレを拒否していた腕が、オレに助けを求めるようにしがみついきた。 それを背中に感じながら、薫さんに刺激を与えていく。 快楽が薫さんの理性を奪い去り、オレにされるがまま、再び体を開かされていった。 「もしもし?」 「どうですか?」 「第一段階はクリアしました…すでに第二段階へ移行しています。」 「そうですか。」 「ところで…」 「はい?」 「私が本当にあなたの弟になってもいいでしょうか?」 一瞬の間。 「どうぞ。しかし、くれぐれも私からの依頼のことは内密に。」 「了解しました…それではお兄さん、今夜も薫さんのことはこちらで預からせて頂きます。いえ、迷惑だなんて…それでは。」 プツッと通話を終えると、部屋の中に戻った。 「今夜も、薫は泊まってくるそうだ。なんだかいい雰囲気みたいだったぞ。」 「え?」 「それと、この先の俺たちの話はあいつの体験の中から書かれていくようになるだろうし、もう俺たちの邪魔をすることもなくなる。」 「どういう事?」 「お前は知らなくていい。一つ言えるのは、ようやくお前をじっくりと愛せるって事だよ…昨夜のように、な?」 「…。」 顔を真っ赤にして頷いたままでいる腕を掴んで抱き寄せた。

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