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第4話
「俺の名前は、如月 輝 。よろしく。んで、こいつが――」
俺が睨みつけているのに気付かず、調子良く自己紹介してやがる…。
そんな如月を制してもう一人の先生が自己紹介をしようと一歩踏み出した。
「…初めまして。風希 光舞 です。よろしく。」
人当たりの良さそうな笑顔を浮かべる。
…なんか怖いな。
元ヤンの勘っていうかなんて言うか?
表裏があって一番怖いタイプな気がする。
ほら、よく言う…怒らせたら怖いタイプ。
「じゃあ、それぞれ部屋の場所を確認しよっか。」
一通り自己紹介が終わり、寮長が立ち上がった。
四人で寮長に付いて移動する。
「手前から、塩崎、長岡、飛んで色場、長橋の部屋ね。それぞれ荷物の片付けとかしてもらって。わからないこととか、困ったことあったら声かけてね。」
そう言い残し、寮長は2階へと上がっていった。
寮長に言われた部屋に入る。
「…綺麗。しかも…広い。」
思わず息を呑む。
綺麗な部屋。
母親が死んでからまともに部屋を片付けてなかったからすごい汚かったし。
何より、家にいると一人なのを実感するから家に帰らなかった。
「おーい、雪希。ちょっといいか?」
突如、ドアがノックされ塁の声が聞こえる。
一体、どうしたんだか。
「何?」
返事をしながらドアを開ける。
開けるや否や、塁に抱きしめられる。
「おいっ!?ちょ、離れろ!なんなんだよ!?」
塁を引きはがし、部屋に座らせる。
そこで、塁が涙目になっているのに気づいた。
「…どうした?珍しく泣いて…。」
「俺、一人で寝れない…。」
はぁ!?
嘘だろ…塁が怖がりだとは思わなかった。
何年も一緒にいるけど…。
「お前、怖がりだったんだな。びっくりされんぞ、喧嘩強い癖にって。」
どうやって慰めればいいかわからなくて。
ちょっと馬鹿にするように声をかける。
すると塁はキッと顔をあげた。
「怖がりはお前だろ!俺は…俺は……初めて来る場所で一人だと寝れないだけだ!」
「は?」
何が違うのかよくわからないけど。
…俺が怖がりだと?
「塁、誰が怖がりだって?」
「雪希だよ。お前、自覚ないのか?」
不思議そうに首を傾げる。
本気で言ってるのか…?
俺は幽霊なんて信じてねぇし。
お化け屋敷だって普通に行く。
どうしたら俺が怖がりなんだか…。
「まあ、いいや。雪希。今日だけでいいから一緒に寝よう!」
さっきとは打って変わって、キラキラとした笑顔でそう言う塁に思わず苦笑いする。
こいつ寝相悪いからなぁ…。
「…じゃあ、あいつらも誘おうぜ。」
「あいつらって?」
せっかくだったら色場や塩崎も巻き込んでやろう。
もしかしたら色場は無理かもしれない。
そしたら塩崎だけでもいい。
「誘って、塁の部屋行くから。荷物の片付けしてろ。」
取り合えず塁を部屋から押し出す。
今すぐ行ったって、二人に迷惑だよな。
そう思い、俺も荷物の片付けをする。
ふと、懐かしいものを見つけ手が止まる。
「これ……って…」
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