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第10話(※)

「…雪希、ゲイなの?」 如月が目を細めて俺を見つめる。 「別に?…てか、俺のイヤリング返せよ!それは、波飛(なみと)さんから貰ったやつなんだよ!」 「波飛さんって?…誰。」 如月がギュッと強く俺の手首を握る。 同時にフェロモンが強くなったのが分かった。 ――なんでこんな傷ついた顔してるんだよ。 文句言いたかったのに、こんな顔されちゃ…。 「俺には教えてくれないんだ。嘘も付くし。仕方ないなぁ……。」 「嘘ってなんだよ。別に嘘ついてねぇけど。」 厭味ったらしい笑みを浮かべる如月に背筋が凍る。 しかも、別に嘘なんてついてないっての。 「おいっ!?てめっ、何してんだよ!?」 如月の思惑がわからず混乱している間にズボンを下ろされる。 パジャマだからチャックはないし、あっという間に脱がされてしまう。 しかも、両手拘束されてるから全く動けない…。 「…………別に?身体に聞こうと思って?」 「は?」 マジで頭イかれてるのか? 身体に聞くってどういうことだよ。 如月はさらに俺のパンツまで下ろしてきた。 そしてそのまま俺のぺニスを手で握りしめ、上下に擦りはじめた。 「んっ、やめ…ろっ…動かすなっ」 「じゃ。喧嘩始めた本当の理由言えよ。てか、お前Ωだろ。なんで俺のフェロモン聞かないわけ?こんなガンガンに出してるのに。」 如月はこれでもかとどんどんフェロモンを強めるから俺はもう口を開けなかった。 ただ必死に首を横に振る。 「……あ、そう。」 俺の反応に冷たく答え、さらに激しく俺のぺニスを擦りだす。 「んっ…ん……」 やばいっ、如月…上手い。 でもそんなこと言うのは癪に障るし、俺にもプライドがある。 手で口を覆い、どうしても漏れてしまう声を必死に抑える。 そんな俺を見て満足そうに如月が笑い、フェロモンを弱めた。 「気持ちいなら、声だしてよ。」 「ふ…誰が気持ちいなんて言った――んあっ!やめっ…あっんんっ!」 如月を煽るように口を開いた直後、グリグリと先っぽを急に弄られ声を出してしまう。 先っぽ嫌だ…気持ち良すぎて壊れそうっ… 「嘘つかないでよ、めっちゃ気持ち良さそうじゃん?腰浮いちゃってるし。」 「え…?あ、う、嘘…?んっ…あぁっ…先っぽいや、やめっ…」 こんなこと言ってることが恥ずかしい。 でも、気持ち良すぎて本当にわけわかんなくなってきた。 如月がαで、俺がΩだから? 「先っぽね、わかったわかった。」 俺の言葉を聞いてさらに如月は先っぽを激しく弄る。 腰が浮いてきてるのが自分でもわかる。 「あっ…んんっ…やめっ、やばい…でるっ………えぁ…?」 イくと思った瞬間、如月に強くぺニスの根本を握られ射精が出来なくなる。 うぁっ…なんで…っ。 苦しいっ…イきたい、イきたい! 必死に腰を振る。 もうこの際、どう思われたっていい。 今はもう、イきたい。 「全力で腰振っちゃってエロいねぇ…そんなにイきたいの?」 じっと俺の目を見つめながら、如月はゆっくりと俺のぺニスを擦るのを再開する。 俺は頭が取れるほどの勢いで頷いた。 「じゃぁ…本当のこと話してくれる?」 「話す、話すからイかせて…!」 働かない頭で返事をする。 そんな俺の返事を聞いて、如月は満足そうに頷いた。 ――かと思えば激しく俺のぺニスの先っぽを弄りはじめた。 「あんっ!そこいやぁ…グリグリしないでっ!ん…んっでるっ今度こそでるぅっ!」 「っ…!えっろ……いいよ。イって。」 如月の声と同時に射精してしまう。 息を吸って呼吸を落ち着かせる。 正直、如月にいろいろ言いたいことがあった。 でも、一気に疲れが襲ってきて。 そのまま目を閉じた。

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