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第48話 塁side
雪希が帰ってこない。
如月先生が帰ってくるって言ったから信じてたのに帰ってこない。
毎日、雪希の部屋に行っては誰もいない部屋を見るだけ。
波飛さんのところに行ったって如月先生は言っていた。
波飛さんから連絡がないところ、きっと雪希は北斗に捕まっているだろう。
俺に何ができるんだ?
いつも助けてもらってばっかで、いい加減雪希の役にたちたいのに。
あの日も........
雪希が目の前で北斗に犯されてるにも関わらず俺は何もできなかった。
忘れてしまった雪希に出来事を話して、雪希が思い出してからもアイツは「お前のせいじゃない」の一点張りだった。
もう25時を回ってるけどもしかしたら雪希がいるかもしれない。
だから、今日も俺は雪希の部屋に行く。
ノックをしようとした瞬間、雪希の部屋からドンという鈍い音が聞こえた。
「雪希...?いるのか?雪希っ!?」
ドンドンと、雪希の部屋のドアを叩き続ける。
開けようとしても開かない。
これは、雪希がカギをかけたからのはず。
じゃあ今の音は?
雪希の身に何が起こってるんだ?
状況はわからないけど、なぜか冷静だった。
俺がここでずっとわめいたり、ドアを叩いていたって何も変わらない。
それなら俺がするべきことは一つだけ。
波飛さんに連絡して、如月先生に連絡する。
俺らは寮に入るときにΩの生徒も含め、緊急時に限りカギを開ける権限を持つ先生が一人だけいると教えられている。
それがどの先生かはわからないけど、如月先生にとりあえず言いに行こう。
雪希は割と、如月先生に心を開いている様だったし。
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