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第50話

深い、深い海の底で一人で生きてきた。 息をするのが苦しいのが日常なら、それはいつしか苦しくなくなるって信じて。 感覚が麻痺して死んでいってた俺の心を救ってくれる人。 そんな人たちに出会って少しずつ変わっていった。 裏切られもした。 それでも、その分支えてくれる人がいた。 その優しさに甘えてた。 甘えて、当たり前だと思ってた。 俺は苦しんできたから支えてもらっていいって。 だから、突き放される辛さを忘れて。 勝手に傷ついて... 自業自得、わかってる。 でも、それくらい大好きなんだよ。 ごめんね、勝手に好きになって。 ごめん、迷惑かけて。 俺も、もう気づいた。 調べて気づいたんだよ、きっとコウは俺の運命なんだよね。 でも、汚い俺が運命だとコウは幸せになれない。 だからコウの前から消えなきゃって。 それができないなら死ななきゃって分かってるのに。 運命だったらコウのそばにいれるって。 コウは優しいから俺が縋れば、運命なんだからって言えばそばにいてくれそうで。 そう考える自分が嫌だ。 だから死にたい。 死ねないならせめて。 記憶を全部消して....... 俺がコウに出会わない運命にして...... コウが幸せであれますように........

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