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 優しいように見せかけた、強引なキス。 「ん……っ、んんっ、んぅ」  高遠原の舌に、舌を絡めとられる。  そのまま、俺の思考が溶かされていくような……変な、感覚。 「んっ、ふ……ぁ、っ!」  キスをしたまま、高遠原が俺を抱きかかえた。  キスの経験なんて全くない俺は、呼吸の仕方すら分からない。  そんな状態で、大した抵抗ができるはずもなかった。 「ん、ぷは……っ! た、高遠原――ぅわっ!」  されるがままとなった俺は、ベッドの上まで抱きかかえられる。  そしてゆっくりと、下ろされた。 「へ、変なことしたらぶっ飛ばすからな……っ! 俺は本気だぞ……っ!」  ようやくキスから解放された俺は、俺にのしかかる高遠原を強く睨んだ。  だが……どれだけキツく睨んでも、何故かちっとも効果がない。 「それは楽しみだな。なら、精々俺様は……お前にぶっ飛ばされないように楽しませてやるよ」  低くて、甘ったるい声。  ベッドに俺を押し倒して……高遠原は服の上から、俺の下肢を撫でる。 「ぃ、あ……っ!」  大きな手に撫でられて……ぴくん、と。体が小さく震えた。  そのことに、高遠原が気付かないはずない。 「今のキス、気持ち良かったのか?」  俺が勃起していると、高遠原は気付いている。 「もしかして……ファーストキスだったりしてな?」 「ん、ぅ……っ」 「ズボンの上からでもわかるぜ? さっき出したくせに、もうガチガチじゃねェか」 「は、ぁ、っ!」  既に硬くなってきているそこを、高遠原は執拗に撫でてきた。  小さな快感が下半身にピリピリと走り、甘い痺れを起こす。 「やっ、やめ……ん、っ」  首を横に振っても、高遠原が聞き入れてくれるはずもない。  それに加え……急所を撫でられているせいで、うまく力が入らなかった。 「ホラ。早く俺様のこと、ぶっ飛ばしてみろよ?」 「あ……っ! ズ、ズボン……下ろすな、っ」 「貸したズボンを俺様がどうしたって勝手だろ?」  ズボンを下ろされ、下着もついでと言いたげに下ろされる。  勃起している俺のペニスは、勢い良く姿を現した。 「待ってましたと言わんばかりじゃねェかよ?」 「み、見るな……っ!」 「って言われてもなァ? お前のココは見てほしそうだぞ?」 「は、っ? な、に……言って……っ!」  勃起した俺の性器を見て、高遠原がワケの分からないことを言い始める。 「本体と違って、素直じゃねェか。……可愛いぜ?」  太い指が、先端を撫でた。 (男性器に可愛いもクソもあるかっ!)  屈辱と恥ずかしさから、蹴り飛ばしてしまいたい。  ――だがすぐに、そんな考えは吹き飛ばされてしまう。 「――ひ、っ! あ、ん……っ!」  ――高遠原が、俺の性器を握ったからだ。

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