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 玄関でされたのと、同じように。  何の躊躇いもなく、高遠原は俺のペニスを扱き始めた。 「あっ、んぅ……っ!」  さすがは同じ男、なのだろうか。  緩急をつけて、どうしたらより一層気持ち良く感じるのか。  高遠原はそれを、心得ている。 「真冬、お前さァ……敏感すぎだろ」 「ひぁ、んっ! は、はな……せ……っ! ん、ん……っ!」  抵抗したくても、体が上手に動かない。  いやでいやで、堪らないのに。 「エロい音たててるくせに、離せってのは可笑しな話じゃねェか? ん?」  ――先端が、濡れている。  俺が高遠原をいやがる以上に。  体は、快感に正直だ。 「はっ、ぁ……ぅ、んっ!」  こんなこと、コイツにされたくない。  なのに。 (さっき出したばっかりなのに、また……っ!)  体が、熱くて仕方ない。  認めたくないけど、認めるしかないだろう。  俺は……俺、は。  ――イきたくて、仕方ないんだ……っ。 「ぃ、やだ、っ! やだっ、手、はな――んんっ、ひっ、あ……あぁ、っ!」  頭では、しっかりと拒絶している。  なのに、体は……どうしたって、貪欲だ。 「ふ、あっ、ぁあっ!」  『射精したい』という欲求のままに。  精液が、吐き出された。 「んん、ん……っ!」  白濁としたそれは、大嫌いな男の手と服を、瞬く間に汚していく。  汚されている張本人はそれを不快に思った様子も見せず、ただただ、口角を上げている。 「はぁ、は……っ」  二度目の射精による疲労感で、俺はぐったりと脱力した。  すると、視界の端で高遠原がなにかをし始めている。  よく見ると……自分の手についた俺の精液を、指で弄んでいるらしい。  かと思うと。 「……っ! なっ、なに……っ?」  ――いきなり……俺の体を、うつ伏せに寝かせてきた。 「なぁ、真冬。……男同士のヤり方、知ってるか?」 「は、っ? そ、そんなの知ら――やっ、いやだっ! 俺はそんなこと、シたくないっ!」  『知らない』と答える前に、直感が伝える。  ――高遠原は今……俺と【男同士のセックス】をしようとしているのだ、と。  慌てて振り返ろうとするが、高遠原が背後で笑っている。 「お前、拒否できる立場なのかよ?」  玄関で、射精したこと。  そして……たった今、イかされたことも。  ほんの一日で、握られた弱みが……多すぎる。 (拒否したら、どうなるか……そう考えたら、拒否なんて……できっこ、ない……っ)  男同士のヤり方なんて、俺は本当に知らない。  だからこそ俺は、今から高遠原になにをされるのか、分からなかった。  脱がされかけていたズボンに手を添えられた俺は……怯えるように、目を閉じた。

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